1999年5月3日

憲法記念日にあたって

社会民主党

1、社会民主党は、日本国憲法施行52年目の憲法記念日を、国民とともに心からお祝いする。世界に誇る憲法とともに歩んできた私たちは、21世紀に向けてこの憲法を守り、活かし、世界に拡げていく決意を、平和を愛する人々に改めて表明する。日本国憲法のもつ平和主義、民主主義、基本的人権の理念は、悲惨な戦争の惨禍の中から生まれた。戦争を仕掛け、また仕掛けられず、平和と繁栄を享受してきたこの約半世紀の歴史は、憲法をもとに創られてきたことを強調したい。

1、ソ連邦が崩壊して10年近くになるが、米国の冷戦思考はかたちを変えて温存されている。米国は“世界の警察官”のようにふるまい、ユーゴヘの介入が示すように、かえって民族や宗教の対立、局地的な領土紛争などが深刻化する結果を招いている。米国に追随する日本政府は、近隣諸国から軍事大国化、偏狭なナショナリズムヘの回帰を指摘されている現実も、許すことはできない。

1、日本の自・自連立政権は、去る4月27日衆議院で新ガイドライン関連2法案・1協定の採決を強行した。安保条約の枠を踏み越え、憲法に抵触する法案の矛盾を解明することなく、国民の不安、自治体の疑問、働く人々の切実な訴えに、耳を領けることをしなかった。与野党の議員が発足させた「憲法制度調査委員会設置推進議員連盟」の活動は、”自由な論議”の名目の下で進行する危機管理・有事体制整備への動きの中に、第9条を軸とする憲法改悪への明白な狙いをみてとれる。

1、社会民主党は、歴史が教えるように、“危機管理”より“危機回避”を優先する。この間、韓国、朝鮮民主主義人民共和国、中国など近隣諸国との平和と友好の外交を軸とする「平和のためのカイドライン」を提起した。参議院におけるたたかいをつうじて、新ガイドライン関連法案廃案に向けて全力をを尽くす決意に曇りはない。憲法理念を21世紀の世界の中で活かし拡げていくために、平和・人権・環境・福祉など人類共通の諸課題に向かってアジア及び世界の平和を望む人々と手を携え、前進する決意を改めてここに表明する。