小渕総理の企業・団体献金禁止の決断について(談話)

1999年11月10日
社会民主党幹事長 渕上 貞雄

1,本日、小渕総理は10月25日の自民党政治改革本部による政治家個人への企業・団体献金の存続決定について、2000年1月から禁止することを決断した。これは、わが党や国民の怒りの成果であり、総理の決断は、「英断」ではなく当然の事である。

2,そもそもロッキード、リクルート、佐川問題に端的に示された政・官・業の癒着に対する国民の怒りを一時的に糊塗しようとしたものが、自民党のいう「政治改革」の本質である。今回の総理の決断も、世間の風当たりを気にした、選挙目当ての方針転換にすぎない。

3,政治家個人への企業・団体献金を禁止するといっても、「政党支部経由政治家個人行き」などといった受け皿作りなどの抜け道が確保されるのは問題である。森幹事長のいう「新しい仕組み、方向」がこのような抜け穴作りとなるならば、総理の決断と称するものは「真空」そのものにほかならない。

4,また、政党助成金の対象となっていないことを理由に、自治体議員と首長は除くということもいわれている。しかし、1994年1月28日の細川・河野合意では、「企業等の団体の寄付は、地方議員及び首長を含めて政治家の資金管理団体(1に限る)に対して、5年に限り、年間50万円を限度に認める」と明確にしており、毅然とした対応を求める。

5,個人献金中心に改めたとしても、議員がその地位を利用して収賄を行うことについては厳正に処罰されなければならない。社民党始め野党が共同提案しているあっせん利得行為を禁止するための地位利用収賄罪法案の成立など、政治改革の課題はいまだ道半ばである。今後とも、社会民主党は、与党の「抜け道作り」を監視し、名実ともに企業・団体献金を禁止するとともに、利権とは無縁の新しい政治システム作りに努力していく決意である。