1999年6月11日

いわゆる「国旗・国歌法案」の国会提出について(談話)

社会民主党幹事長
渕上 貞雄

1,本日、政府は、いわゆる「国旗・国歌法案」を閣議決定した。わが党は、「日の丸」「君が代」法制化には反対であり、十分な国民的論議もないままの決定は極めて遺憾である。

2,わが党は、教育現場において「国旗掲揚」や「国歌斉唱」を強制する実態があることについて、これまで強く批判してきたところである。法制化によってその強化を図ることは、断じて認めるわけにはいかない。

3,「日の丸」「君が代」をどう認識するかは、過去の侵略戦争、植民地支配のシンボルとしてアジアの人々に強制してきた歴史的事実を踏まえるべきであるとともに、基本的には国民の思想、信条に関わる問題である。その法制化は、憲法に抵触するものといわざるを得ない。

4,現在、政府・与党は、ガイドライン関連法、組織犯罪対策法、住民基本台帳法や、少年法改正、オウム真理教対策を隠れみのにした破壊活動防止法改正、憲法調査会の設置など、憲法を形骸化させようとする動きを強めている。いま拙速に「日の丸」「君が代」の法制化を進めようとすることも、これらの動きの一環であると考えざるを得ない。

5,わが党は、こうした国家主義的支配に向けた様々な動きを強く危惧せざるを得ず、法制化をはじめ、「日の丸」「君が代」を国民に強制しようとする動きに反対する取り組みをさらに進めるものである。