2000.6.9
国民の生活実感とは程遠い国民所得統計速報(談話)
社会民主党全国連合
幹事長 渕上 貞雄
- 本日、経済企画庁は、2000年1-3月期のGDPが、実質で前期比2.4%増と3期ぶりにプラス成長に転じたことを発表した。
企業レベルで判断すれば、緩やかながらも回復基調にあるといえるが、改善がみられない失業率の水準(4.8%)を見ても、国民の生活実感は、そこからは程遠いところにある。このままでは、庶民の犠牲の上に成立つ景気浮揚に終わりかねない。したがって、「雇用なき景気回復」である限りは、前向きな評価の対象たりえないのである。
- また、個人消費も1.8%増と3期ぶりにプラスとなった。
しかし、「うるう年効果」を差し引けば1%程度に下方修正しなければならないことは経企庁も認めているところだ。経済(景気)の自律的回復の牽引車の役割を担わなくてはならない個人消費は、依然、弱ぶくみのままといわざるをえない。その要因は、老後や雇用への不安など「生活の先行きに対する不安」にあることは周知の事実ともいえる。
これらの「将来不安」を解消し、国民生活の再建に直結する歳出の重点化こそが、財政健全化に向けた真の処方箋になりうると考える(最終消費支出の伸びにつながることで、結果的には、税収増による「財政状況の改善」が期待できる)。
社民党は、”国民総ぐるみの”景気回復を進めていくために、例えば、「暮らしの安全と安心」を支える福祉関連情報ネットワーク網の迅速な全国的整備などに積極的に取り組んでいきたい。