平成12年10月26日

公職選挙法改正案の成立に対する抗議声明

民主党・新緑風会  
日本共産党     
社会民主党・護憲連合
無所属の会     
自由党       

 本日、与党は参議院比例区に非拘束名簿式を導入する等の「公職選挙法の一部を改正する法律案」を強引に成立させた。これは民主主義の基本的なルールである、国民の参政権にかかわる選挙制度の変更を、ルールを無視して提案し、衆参両院にわたっての与党の度重なる強行採決によって強引に成立させたものであり、議会制民主主義を踏みにじる憲政史に汚点を残す暴挙である。特に、参議院に於いては、議長の辞任まで、発展するほどの大問題であった。

 参議院では議長の下の各派代表者懇談会で設置が決定した、参議院選挙制度改革に関する協議会に於いて、今年2月25日に協議会の自民党所属の須藤座長より「抜本的な改革は次回の通常選挙に間に合わせることは時間的に困難」であり、来年7月に行われる選挙制度について「現行の拘束式比例代表制を維持することを前提として議論を進めることとなった」とする報告書がまとめられ、議長と全会派が了承した。にもかかわらず、与党は久世金融再生委員長の名簿順位を上げるための献金による辞任からの急遽の法案提出であり、動機不純な悪法である。自民党の不透明な比例順位決定問題隠しや、自民党への国民の得票が大幅に減少する現状からの、法案の改悪であり、動機不純、党利党略に基づく、選挙制度改悪案であり、断じて認められない。

 自民党の党利党略によって、国民の権利である選挙制度を多数によって変更しようとすることは、多数による横暴以外の何者でもない。われわれ参議院5会派は、こうした、民主主義破壊の議会運営に強く抗議すると共に、選挙法は民主主義の基本をなす重大な問題であることから、与党の真摯な反省を強く求めると共に、来年の参議院選挙で、与党に鉄槌が下るよう、全力で闘う覚悟であり、国民と共にこの不当性を訴え続ける。

以上