公職選挙法改正案・仮名株取引禁止法案の衆議院通過に当たって(談話)

1999年7月29日

社会民主党政治改革・選挙制度プロジェクト
座長  中西 績介

1.本日、洋上投票の実現を盛り込んだ公職選挙法の一部を改正する法律案が、衆議院本会議で可決された。遠洋航海に従事する日本人船員の長年の要求課題であったFAXによる洋上投票については、これまで投票の秘密や選挙の公正の確保などの観点から自治省は消極的であった。しかし、社民党は大きな人権問題として全日本海員組合等と連携しその実現を働きかけてきた。一方、宮城県気仙沼市を視察するなど党派を越えて検討をしてきた衆議院倫理・選挙特別委員会において、今回、洋上投票を実現するための公選法改正を行うことで各党が一致した。政府の消極姿勢を国会が乗り越え、海員組合の要求が実現したものであり、今回の洋上投票の実現は極めて画期的なものである。

2.しかし、当事者の方々からは、沿岸航行船舶が対象から外されるのはなぜなのか、遠洋であっても外国船に乗り込む日本人船員が洋上投票を認められないのではないか、対象とする選挙が国政選挙に限定されているのはなぜなのかといった疑問や懸念が出されている。そこで社民党は、7月19日の理事懇談会において、今回の法改正を一歩前進としながらも、(1)自治体選挙への拡大、(2)外国船籍船・沿岸航行船舶の対象化、(3)周知・情報提供の努力、(4)請求・交付手続きの簡素化、(5)寄港時間が短くまた不在者投票所への足の便も悪いことによる船員の不在者投票制度自体の見直しなどの課題があり、附則修正か附帯決議を行うべきであることを提案した。

3.最終的には、法案の早期成立を期す点から修正は見送られたものの、今後の検討課題について委員長の法律案起草案趣旨弁明の中で、「対象選挙の地方選挙への拡大、対象船舶の拡大、選挙の周知・候補者等に関する情報提供の努力、投票送信用紙の請求・交付手続きの簡素化については、今後の検討課題としたいと考えております」という形で触れられることになり、今後の取り組みの足掛かりを残すことができた。引き続き関係団体等とともに、制度の改善に向けて努力していく決意である。

4.今回の公選法改正案には、社民党が与党時代に提起し、自民・社民・さきがけの三党で共同提案した法案をもとに、佐藤孝行問題を契機に当時の与党政治改革協議会で論議され、公職にある間に犯した収賄罪等により刑に処せられた者の被選挙権停止期間の延長が盛り込まれている。また、新井将敬問題をきっかけに、国会議員の仮名・借名による株取引等を禁止する「政治倫理の確立のための仮名による株取引等の禁止に関する法律案」も今回ようやく衆議院を通過した。いずれも政治倫理の確立、国民の信頼回復に向けた前進であるが、引き続き自社さ三党の立法した他の政治倫理関係の法案や、企業・団体献金の禁止等の実現、参議院における国会議員の地位利用収賄罪法案の早期成立に向けて全力を上げる。