防衛庁長官
野呂田芳成 殿

1999年6月25日
社会民主党
幹事長 渕上貞雄

 

迷彩服着用の自衛隊員の民間機搭乗に反対する申入れ

 社会民主党は、本日6月25日から27日にかけて、仙台、山形両空港から、迷彩服を着用した290名の自衛隊員が、民間航空機に一般搭乗客と同乗することに反対する。

 このことは、国内外の憂慮と反対の声を押し切って、周辺事態法が成立した直後でもあり、いたずらに国民の不安と不信を招く常軌を逸した行動としか言いようがない。自衛隊が制服のまま国民の日常生活に際限無く踏み込むことは、一般の乗客の不安は云うまでもなく、国民に恐怖と混乱を増幅させるだけである。

 現状は有事の事態ではなく、迷彩服の自衛隊員の民間機への搭乗は、全く必要ない。「訓練」であるならば、自衛隊機を使うべきである。民問機に同乗するならば、迷彩服を他の場所で着換えてから搭乗することが常識的である。敢えて常軌を逸したとしかいいようのないこのような行為は、周辺事態法の発動を想定し、有事法制の整備に向けた既成事実の積み上げを意図している、と断ぜざるをえない。

 自衛隊は、挑戦的ともいえるこのような「訓練」は直ちにやめるべきである。近隣諸国との対立や緊張を煽る動きにつながる自衛隊の振る舞いは、冷静で慎重を期すベきことは、いまさら繰り返すまでもない。

 社会民主党は、このような行為に強く抗議するとともに、ただちに取りやめるよう強く申し入れる。

以上