英知結集しエネルギー政策転換へ

もんじゅ運転差止め訴訟判決
をテコに脱原発社会の創造へ

2000年3月22日

社会民主党全国連合
政策審議会長
濱田健一

 福井地方裁判所は本日、福井県敦賀市周辺住民が国と核燃料サイクル開発機構(旧動燃)を相手どって取り組んだ高速増殖炉「もんじゅ」の原子炉設置許可処分の無効確認の行政訴訟(差戻し審)と、建設・運転差止め請求の民事訴訟について、原告敗訴の判決を示した。提訴以来15年、訴訟に取り組んだ関係者の努力に敬意を表したい。しかしながら、福井地裁が、裁判の中で明らかにされた「もんじゅ」の安全審査の誤り、それに基づいて設置を許可した危険性、国の責任の有無について、判断を回避したことは、誠に不当であり、残念である。

 社民党は、脱原発社会の創造のため全国各地で、原子力発電所や核燃料の貯蔵や輸送反対の運動を取り組んでいる全国の人々と連帯し、エネルギー政策の転換と住民意思を尊重する社会の構築推進のために、一層の努力を積み重ねる決意である。

 昨年10月の東海村核燃料加工施設で起きた臨界事故を契機に、日本のエネルギー行政、とりわけ原子力発電推進行政は2000年の今年、画期的な転換点を迎えている。2月下旬に芦浜原発建設計画の白紙撤廃を要請した三重県知事と芦浜原発の計画を断念した中部電力の決断を、社民党は歓迎する。この決断は日本の原子力発電を核とするエネルギー行政の歴史的転換点として記憶されてよい。

 社民党は、1999年4月にまとめた調査会報告を踏まえ、もんじゅのナトリウム事故をはじめ、昨秋の茨城県東海村JCO臨界事故、核燃料データ捏造発覚など、「国策」である核燃料サイクル計画の破綻を鮮明にし、原子力発電に依存しない21世紀日本のエネルギー政策を提起し、総選挙における国民の選択肢の一つとして提起したい。

 社民党は、既存の原子力施設の安全性確保の促進と、先の国会で成立した原子力防災法の実際を検証するために、明日3月23日に予定されている原子力防災法に基づく福井県の原子力防災訓練に注目し、全国各地のエネルギー政策や反原発運動に取り組んでいる諸団体とともに、エネルギー政策と原子力防災行政の変革と、国民の理解をより一層深めるため、取り組みを強める決意である。

以上