2001年3月14日

森内閣の対する問責決議案の否決について(談話)

社会民主党 幹事長
 渕上貞雄

  1. 本日の参議院本会議において、自民、公明、保守の与党3党は、野党5会派が提出した森内閣に対する問責決議案を否決し、事実上森内閣を信任した。まことに奇妙なことであり、国会を冒涜し、国民を欺くものといわなければならない。
    森首相が退陣に向けてレールを敷かれていることは、自民党内はもちろんのこと、与党内においても当然のこととされており、国民にも周知の事実となっている。にもかかわらず、森首相は、参議院予算委員会において続投の意思を明言し、自民党幹部も辞意を否定し、問責決議を否決したのである。国会と国民に平然と嘘をついてはばからない森首相と与党の行為は、まさに政治の私物化であり、政治を国民から遠ざけ、政治不信を増大させる以外のなにものでもない。

  2. 森首相の退陣をめぐる動きは、自民党の派閥の権力闘争そのものであり、密室で生まれた首相が密室に葬り去られようとしている。しかし、その実態は国民はもちろん、広く海外にも知れわたっており、世界から失笑をかっている。首相としての地位を一日でも長く延命するために、外交を利用するなどということは、およそ国際的な信義にもとるものであり、また、米国、ロシアもまともに対応するはずもなく、わが国の国際的信用を失墜させ、国益を著しく損なうものといわなければならない。訪米、訪ロは中止すべきである。

  3. 昨日、株価が16年ぶりに12000円台を割ったが、もはや市場も森内閣にノーを突き付けたのである。汚職とスキャンダルにまみれ、「死に体」となった森内閣がこれ以上政権を担当することは政治に空白を生じ、難局に直面する日本の政治を混乱させるばかりである。森内閣は即刻退陣すべきである。また、首の挿げ変えによるタライ廻しは許されず、野党に政権をわたし、解散、総選挙を断行することこそ、国民の付託に応える道である。