2000年12月5日
森内閣の内閣改造について(談話)
社会民主党
党首 土井たか子
- 本日、森内閣の改造が行われ、第2次森改造内閣が発足した。森総理は今回の改造について、(1)経済新生・景気回復(2)IT(3)教育(4)行政改革・規制緩和を重視した、と述べているが、言葉とは裏腹に、実態は、旧態依然たる順送り、そして主流派のみによる露骨な派閥優先人事にすぎず、自民党が、「大臣ポスト」という利権の再配分装置であることを明確に示している。また、今回の改造劇では、自民党の派閥の跋扈目に余るものがあり、森総理の当事者能力の喪失と派閥政治の公然たる復活をあからさまに印象づけた。
- 今回の改造は、21世紀を目前に、省庁再編という大事業を控えた改造であり、本来ならば新たな改革への意欲や豊かな創造力が国民に伝わる陣容でなければならない。しかし、すでに国民の支持を失い、派閥力学によって辛うじて支えられている森総理には望むべくもないことであり、新鮮味もなければ改革への意欲も感じられない森改造内閣の実態は、「シンキロウ」ならぬ、先ゆき不透明で存在感の薄い「かげろう内閣」とでもいうほかない。改造によって盛り上がるどころか、国民を白けさせ、「モリ下がる」ばかりである。
- また、今回の内閣人事や自民党三役人事を見る時、森内閣や自公保三党が、参議院選挙に向けて、国民の厳しい批判に背を向け、これまで通りの利権誘導、バラ撒き政治を続けていく意図が見え透いている。自民党を中心とする自公保連立による密室談合、利権政治の本質は、今回の改造によっても何ら変わることなく、むしろ強化されたといわなければならない。
- 社会民主党は、国民の支持を失い、政権を維持することのみに汲々として、政治改革や国民生活をかえりみない森内閣に対し、全国において「世直しキャラバン」を展開し、森内閣を打倒し、自民党政治を終わらせるために、引き続き全力を上げる決意である。