1999年10月1日

株式会社ジェー・シー・オー
 社長 木谷 宏治 殿

申し入れ

社会民主党全国連合
党首 土井 たか子

 1999年9月30日午前10時35分頃、貴社東海事業所転換試験棟で大規模な放射能漏洩事故が発生した。多量の中性子が検出され、わが国で初めての臨界事故と考えられている。重症の作業員3名をはじめ多くの従業員、地域住民にも被ばくが認められ、被害は時間を経るにしたがって広がっている。さらに現場から10キロメートル内の31万人の住民に対して屋内待避が呼びかけられたほか、半径1キロメートル以内の通行が禁止されるなど、地域社会や地域経済に大混乱をもたらしている。約19%という高濃度のウランを取り扱っているにもかかわらず、臨界事故に備えたマニュアルも用意されておらず、事故への対策も準備されていないなど、安全が大前提の原子力事業者としての責任を厳しく追及せざるを得ない。以上のことを踏まえ、下記の申し入れを行なうものである。

1、地域住民、従業員の安全確保を最優先に、早急に事故処理を進めこれ以上被害が拡大することを防ぐこと。会社としての責任を明確にしたうえで、関係当局などとの協力によって原因究明を行ない、今後の対策を早急に明らかにすること。

2、知りうる情報を速やかに公開し、住民や国民の不安に応えること。マスコミや事故原因を究明しようとする市民団体など関係者すべてに対して、自らに不都合な情報も含めてすべてを明らかすること。

3、屋内待避の対象となった住民31万人をはじめ、被ばくの不安を感じるすベての住民に対して、関係当局と協力のうえ健康状態の確認を行ない、事故にかかわる治療費の補償や経済的補償を行なうこと。

以上