2001年3月1日

村上正邦前自民党参議院議員会長の逮捕に当たって(談話)

社会民主党幹事長
渕上 貞雄

  1. 本日、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)をめぐる受託収賄容疑事件で、元労相の村上正邦・前参院議員が逮捕され、KSD疑獄はいよいよ本丸に差しかかった。すでに村上氏については、ものつくり大学に関する国会質問などの見返りとみられる現金五千万円の授受をはじめ、約六億二千万円にのぼる自民党費肩代わり、資金管理団体「正邦会」などの事務所家賃計二千二百万円の提供、私設秘書給与約二千八百万円をKSD側に負担させていたこと、多額のパーティー券の購入なども判明している。2月28日の証人喚問では「身の潔白を司法の場で明確にしていく」と述べ、容疑に関する証言の大半を拒否したが、今後司直において事件の全容解明と刑事責任の追及を期待したい。

  2. しかし、これをもってKSD疑獄の幕引きとする与党の企ては許されない。国会の場では額賀疑惑も深まるばかりである。参院「経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会」の設置を金で買ったのは院に対する冒涜であり、言語道断だ。刑事責任と政治責任は別であり、国民の政治に対する信頼を回復するためにも、社民党は参議院予算委員会での再喚問や衆議院における証人喚問、拘置所等への出張尋問の実現など、政治の場における村上氏の責任追及を求めていきたい。

  3. また、村上氏個人の問題としてはならない。村上氏が受け取った5000万円の半額以上を国際技術工芸大学(現ものつくり大学)設立推進議員連盟に所属する議員に衆院選の陣中見舞いとして配ったことも明らかであり、党費肩代わりや自民党の政治資金団体である国民政治協会への献金とその政治活動費としての村上氏への還流も含めて、「KSD資金丸抱えで政官業癒着型の自民党政治の構造汚職」であり、自民党の責任も厳しく追及されなければならない。

  4. 村上氏は森政権を作った「五人組」の一人であり、村上氏の逮捕は森首相に責任なしとはしない。社民党は野党共闘を強化し、自公保連立政権の打倒に全力を挙げる。