2001年10月19日

アフガン難民の強制送還の中止を求める談話

社会民主党 幹事長
渕上 貞雄

 10月17日、アフガニスタン人で、難民認定申請を不認定にされていたアブドゥラさんが、異議を却下され、直ちに西日本入国管理センターに収容された。退去強制令書が出ており、規則どおり手続きが進められればアフガニスタンへ強制送還される。

 10月8日以来、空爆と内戦が続いているアフガニスタンでは難民が激増しており、難民の支援は国際社会の責務であり、日本としても積極的に取り組まなければならない緊急の課題である。このような時期にあえて強制送還するのは、人道上決して許されないことである。法務省当局は、アフガニスタン人の難民認定申請者に対しては、人権に配慮した慎重な対応を要求するものである。

 現在審議中のテロ対策特別措置法では、被災民救援活動を適切かつ迅速に実施するとうたっている。しかし空爆と内戦が行われているところに難民申請中の人を追い返すというのでは、まったく一貫性に欠けるものといわねばならない。

 社会民主党は、この10年の間にわずか49人しか難民として受け入れていないわが国の難民政策の現状について、政府が再考し早急に改善することを求めるものである。