1999年3月30日

NATO軍によるユーゴスラビア空爆に関する談話

社会民主党   
幹事長 渕上貞雄

 3月25日から連日、NATO軍によるユーゴスラビア空爆が行われている。現在この空爆がいつ終了するのかは明らかではなく、さらにNATO地上軍の投入も検討されていて、戦闘が激化する危険性がある。しかしこの軍事作戦が和平の進展に結びつくかどうかは、まったく不透明である。

 そもそも長い複雑な歴史をもった民族対立を武力によって解決することは困難であり、かえって憎悪と対立を深めることが懸念される。バルカン半島の紛争の歴史はそのことを教えている。

 さらに、NATO軍の行動は国際連合の承認を得たものではなく、域外の主権国家への爆撃は、新たな国際対立を引き起こす可能性がある。

 NATO軍は直ちに空爆を停止し、またセルビアはコソボのアルバニア系住民に対する迫害を直ちに停止し、対話による早期解決をめざすべきである。関係者が再度和平案を詰めるための交渉を開始することを期待する。

 日本政府は、話し合いによる解決を求める努カを行い、また難民救済のための支援を強めるよう要請する。

以上