2000年3月21日

年金改革関連法案の強行採決に抗議する(談話)

社会民主党幹事長
渕上貞雄

1,本日、参議院国民福祉委員会において、社会民主党をはじめとする野党が抗議する中、衆議院に引き続き、またも自自公3党による強行「採決」が行われた。国民の年金制度に対する信頼と期待は衆参にわたる数の暴力の前で無惨に打ち砕かれた。社民党は断固たる抗議を表明する。

2,今次年金法案は、取り組むべき多くの課題を先送りし、(1)支給額の削減、(2)被保険者の負担増、(3)受給開始年齢の先送りという国民に痛みを強いる三点セットに特化した「財政」面からのみの「改革」である。また、あまりにもタテ割りで取り組むべき多くの課題が先送りされたものであり、「個人のライフサイクル」を座標軸にすることや第3号被保険者等女性の年金問題、他の制度とのリンク等が全く考えられていない。参議院においては慎重かつ十分な審議が必要だったのであり、国民の不信を解消するためには躊躇なく修正を行うべきだった。

3,「良識の府」である参議院では、前国会における衆議院のような「数の暴力」による「強行採決」を繰り返してはならないはずだった。衆議院に引き続くこの暴挙は小渕・自自公内閣が国民生活にはっきりと背を向けたものと断ぜざるを得ない。年金における給付削減・負担増、介護保険の根元的歪曲、医療制度の抜本改革の先送りの後では「社会保障構造のあり方について考える有識者会議」など行ってもあまりにも白々しい。

4,年金福祉事業団の廃止及び事務の継承に関する法律案は、社民党の努力によって一定の前進が図られ、評価しうる内容のものであった。本来特殊法人改革の一環である法案が年金法案と同時に強行採決されたことは筋違いであり、遺憾である。

5,社民党は、衆議院に送付される年金改革関連法案について、院内外の力を結集して廃案に追い込む決意である。