1999.5.14

衆議院法務委員会での文書捏造に抗議する

 

社会民主党 副党首 清水澄子
衆議院 法務委員 保坂展人
参議院 法務委員 福島瑞穂

 

 本日、国際社会から指摘を受けて久しかった「児童ポルノ禁止法案」が、衆議院法委員会の場で全会一致で可決された。まことに喜ばしい限りであるが、議会人として信じがたい出来事が起きた。直後に開かれた理事懇談会の席上で、野党筆頭理事の坂上富男議員の質問の過程で、医学書の体裁を偽装した「わいせつ物」であると告発された「女性の外性器」を発議者である参議院議員に示した一幕を、自由党理事より議会秩序を乱したものとして「懲罰」を党内で検討したいとの通告があった。

 さらに、与党筆頭理事である八代英太議員から「参議院の6会派の発議者一同として先の質問について申し入れを受けている」との前置きの上で、「坂上質問は女性議員についてのセクハラで、大変に不愉快である。委員長の許可を得て持ち込まれたものかどうか、抗議をする」という文意のメモを読み上げた。「6会派の参議院議員一同」がかかる認識のようなので、自民党も党に持ちかえって「懲罰」にあたるのかどうか検討したいという旨の発言があった。

 理事懇談会の席で、このメモは誰が作成したのか――野党各党の追求に、自民党八代理事は、このメモは自由党の平野貞夫参議院議員が作成したことを明らかにした。同時に、少なくとも夜7時の時点で、我が党の清水澄子議員と、共産党の吉川春子議員はかかる文書に同意していないし、まして「6会派一同」として加わった事実がないことが判明した。

 これは、議会政治に対する恥じるべき陰謀である。本法案を当初から推進してきた清水澄子参議院議員は、同書の問題にかねてから取り組んでいた坂上議員の活動と質問内容を聞いて、平野議員作成のメモの内容に「これは違う。セクハラではない」と非同意の意思を明らかにしており、その点からも文書捏造は明らかである。

 衆議院法務委員会は、組織犯罪対策3法(盗聴法)の審議をめぐって、4月28日には、前代未聞の参考人質疑日程の強行採決があり、与野党の厳しい緊張関係の中で真摯に全党一致する本法案を審議してきたのである。虚偽の内容の文書を理事懇談会の席上、朗読して坂上議員をはじめ我が党の清水議員の名誉を著しく傷つけたことに対して与党自自両党に厳しく抗議するものである。

 社会民主党は、虚偽の文書で野党筆頭理事を陥れる強権的手法の前代未聞の委員会運営を決して許さず議会人の名誉にかけて、この問題の決着を最優先することを野党各党とともに徹底的に主張するものである。