2001年7月1日

日米首脳会談について(談話)

社会民主党 党首
土井 たか子

  1. 今回の日米首脳会談は、日本はアメリカの従属変数にすぎない、といわれる対米追従的なこれまでの日米関係を再確認したにすぎず、対等なパートナーシップとは程遠く、国民の期待を裏切るもの、といわざるを得ない。

  2. ブッシュ政権のアジア重視戦略が、むしろ新たな冷戦構造の復活をもたらす危険があることは世界が指摘するところである。にもかかわらず、こと改めて日米同盟強化を強調することは、世界の、とくに緊張緩和を推進しうる環境にある北東アジアの平和と安定に逆行するものである。小泉内閣が、21世紀の新たな平和や安全保障のあり方について何ら構想も持たず、冷戦型思考を一歩も出ていないことを如実に物語っている。
    また、つい最近も米兵による女性暴行事件が発生したが、県民悲願の沖縄米軍基地の整理縮小については全く具体的成果をあげられず、極めて不充分な結果に終わったことは、沖縄県民をないがしろにした取り扱いといわなければならない。

  3. 経済問題について、小泉首相は構造改革や規制緩和による不良債権処理を表明したとのことであるが、これは経済関係においてもアメリカ製グローバリズムの傘のもとに身を置くことを確認し、アメリカン・スタンダードによって国民に我慢と痛みを強要するものにほかならない。

  4. 京都議定書問題について、議長国としての見識と指導性が求められたにもかかわらず、弱腰に終始し、何らの成果も得られなかったことは失望の極みであり、世界から厳しい批判を浴びるのは必至である。