2001.2.19

野呂田衆議院予算委員長の「大東亜戦争」発言に厳重に抗議する(談話)

社会民主党 
幹事長 渕上貞雄

  1. 自民党の野呂田衆議院予算委員長が18日、太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼び、「(戦争を)やったことでアジアから植民地が無くなった」などと侵略行為や太平洋戦争を美化し肯定する発言をしたとのことである。これは、わが国政府の公式見解として、わが国の植民地支配と侵略行為によってアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えたとして、明確に謝罪の意を表した村山内閣の歴史認識に明らかに反する暴言である。防衛庁長官や農水大臣などの閣僚経験者であり、公正、中立であるべき予算委員長の発言として到底看過できるものではない。また、こうした発言は、わが国の侵略戦争によって苦難と苦痛を強いられたアジア諸国の反発を招き、わが国に対する不信感を増幅させるものである。
    わが党は、侵略戦争を美化し、歴史認識をネジ曲げる野呂田予算委員長の発言に厳重に抗議するとともに、ただちに予算委員長を辞するよう強く求めるものである。

  2. 野呂田委員長発言は教育問題に関して行われたということだが、近年、わが国の植民地支配と侵略戦争を正当化する教科書が編纂されるなど、偏狭なナショナリズムが台頭してきている。野呂田発言は、こうした復古的な動きに呼応するものであり、また、有事法制の検討を明言した森首相の施政方針演説とも軌を一にするものといわなければならない。
    わが党は、平和憲法の理念に反し、戦前回帰につながりかねない教科書問題や有事法制問題、野呂田発言を厳しく追及していく。