2000年7月23日

沖縄サミット終了にあたって(談話)

社会民主党     
党首 土井たか子

 

  1.  20世紀最後のサミットとして、21世紀への展望と先進国が果たすべき役割を明らかにすることが期待されていたにもかかわらず、具体的な中味に欠け、総じて重要な課題はすべて先送りされ、政治ショーに終始してしまった。
     800億円というこれまでのサミットに比し巨額の費用をかけたにもかかわらず、成果に乏しく「消化不良サミット」であったと言わざるをえない。
     南北格差の解消をはじめ、グローバル化し複雑化する今日的課題に対して、G8の枠組みが有効か否か、今後のサミットのあり方自体が強く問われることとなった。

  2.  朝鮮半島における歴史的な南北首脳会談が行われ、冷戦構造崩壊の波が、北東アジアにも及んでいるこの時期に、沖縄で開かれるサミットは、主要8ヶ国が平和を築き上げるために何をしていくかを真剣に討議すべきであった。しかし、この点では新たな提案も論議もなされなかった。北東アジアに位置するわが国のリーダーシップが問われる問題である。
     とりわけ沖縄県民が最も聞きたかった米軍基地の縮小・撤廃についてもクリントン大統領から何ら積極的かつ具体的な言及がなく、今後の課題となったことは、まことに遺憾であり、せっかくの沖縄サミットの意義を大きく減ずることとなった。

  3. グローバリズムの進展に伴う南北格差が依然として拡大しているなか、とくに「ジュビリー2000」の提起に見られるように、重債務国の債務軽減を望む声が強くある。債権国である先進諸国は、これらの声を受け止める責任がある。貧困の撲滅と地球環境の保護こそが今後の世界経済の安定と平和の確保のために不可欠であり、そのために協調して行動するプランを示すべきであった。
     この点に関して、サミットの議論を注視していた発展途上国や関連NGOの人々には失望をもたらすものとなった。

以上