テロ事件発生後の在沖縄米軍及び米兵の行動に対する申し入れ

2001年10月12日

外務大臣
田中 眞紀子 様

社会民主党全国連合
党首 土井 たか子

 さる9月11日の米国同時多発テロ事件の発生以来、在日米軍専用施設の75%が集中する沖縄県では、戦時戒厳令の状態を想起させるようなことを一般民間人及び報道関係者に強要するような米軍の行動が発生し、基地を抱える地域住民に日夜、不安と緊張をもたらしている。

 地元紙の報道によると、北中城村のキャンプ・バトラーの在沖米海兵隊基地司令部入口ゲート前の国道沿いで、同基地所属と見られる警備兵が基地周辺の取材をする記者らを銃で威嚇、また勝連町のホワイトビーチ近くの民間地域である平屋敷公園では銃を携行した米海軍兵が警戒活動に当たっているのが目撃されたと報じられている。

 日米地位協定が明記するように、米軍の軍事警察権は基地内においてのみ適用されることが原則であり、基地外においては、米兵の規律及び秩序の維持のための必要な範囲内で、日本警察当局と連絡して使用される旨、規定されている。

 今回のテロ事件を受けてに一連の在沖米軍の行動は、日米安全保障条約及び日米地位協定に反しており、きわめて遺憾である。外務省はこのような事態を把握し、米政府・米軍に対し厳しく対処すべきである。

 ついては、下記の事項について、外務省が厳しく対処するよう、強く求めるものである。

  1. 今回のテロ事件発生以降、在沖縄米軍人が民間地域で銃を持って警戒活動に当たるなど地域住民が強いられている不安と緊張をあおる在沖米軍の行動に対して厳しく対処すること。

  2. 在日米軍が現在とっている行動と日米安全保障条約との整合性について、どう認識しているのか、その行動が許されるとしたら、その法的根拠を国民の前に速やかに明らかにすること

以上