1999.12.20

大蔵原案の内示について(談話)

社会民主党       
政策審議会長 濱田 健一

1,原案の段階であり、政府が最終的にどのような決定を下すのか定かではないが、全体としての印象は、従来型の公共事業中心の予算編成であり、国民の期待に応えるものではない。

2,消費や民間設備投資を活性化し、経済を自律的な回復軌道に乗せるためには、生活、雇用、福祉、環境、情報通信等に大きくシフトした予算編成を行うべきである。

3,予算規模84兆9800億円のうち、32兆6100億円、実に38.4%は国債の発行によって賄われることになっている。財政再建にもっと積極的な大蔵の原案がこれでは納得できない。次世代にツケをまわすのは限界である。

4,政府の予算案では、国民生活に対する配慮が希薄である。とくに社民党が、消費税の持つ逆進性を緩和するために主張している「飲食料品にかかる消費税戻し金制度」の創設は今年度も見送られた。これは到底容認できない。

5,年金・介護・医療・子育て等についても、理念も政策も感じられない。年少扶養控除額を10万円引き下げた財源で、児童手当を拡充しているが、単なるばらまきでしかない。所得要件を設定しないと高額所得者優遇になる。わが党が提案し実施されてきた臨時福祉特別給付金の支給など考慮もされていない。

6,防衛関係費はここ2年間、対前年比マイナスが継続されてきたが、本年度は0.1%プラスとなった。財政事情、経済状況を勘案すれば、防衛関係費こそ大幅に削減すべきである。

7,政府の2000年度地方財政対策は、13兆円を超える財源不足に対し、交付税特別会計借入金の増加、財源対策債や減税補填債の地方債の増発等従来型の方式にとどまっている。これでは「第三の財政危機」にさらに拍車をかけるだけであり、地方財政危機の根本的な解決には程遠いものといえる。社会民主党は、地方財政危機を打開するためにも、この際、国の責任として、地方交付税法の本来の制度に則り、抜本的な制度改正を行うことをもとめていく。