社会民主党
幹事長 渕上 貞雄
1,越智金融再生委員長が、今月19日、栃木県で開かれた同県金融関係者との会合で、金融機関の検査について配慮を加える旨の発言をしたことが明らかになった。金融再生委員長の発言としては言語同断であり、越智氏は即刻辞任すべきである。越智氏には金融再生委員長の資格もなければ、政治家としての資格もない。
2,今回の越智氏の発言で、金融再生委員長の信用は失墜した。国民の金融行政に対する不信も、また一挙に吹き出すだろう。それでなくとも国民は、金融機関と監督官庁の不祥事に対して厳しい目を向けていたのである。越智氏は自分の懐にあるお金のごとく、こともなげに70兆円の公的資金について語っているが、国民は回収されるかどうか分からない金融機関への公的資金の注入を受忍しているのであって、注入された資金が回収されなければ、国民は自らの税金をもって、注入された分を負担しなければならない。それゆえに金融機関にも行政にも、ルールに基づく公正さと厳格さが求められるのである。越智氏の発言については、何度同じことを繰り返したら気が済むのかと、怒り心頭に発する思いだ。
3,金融再生法では、財政と金融の分離の方向が一応示されている。そのことからすると、本来金融再生委員長のポストは、大蔵省出身者をあてるべきではない。しかしながら前金融再生委員長も越智氏も大蔵省出身者だ。これでは財政と金融の分離といっても口先だけのことで、本質的にはなんら変わりないことになる。金融再生委員長のポストからは、大蔵関係者は排除すべきだ。
4,社民党は、公的資金が注入された金融機関の情報開示が徹底されているかを厳しく監視するとともに、金融再生委員会の人選と決定過程を透明にするよう要求していく。