2000年12月1日

第150臨時国会の閉幕にあたって(談話)

社会民主党     
幹事長 渕上 貞雄

  1. 72日間にわたった第150臨時国会が本日閉幕した。今度の臨時国会は森自公保政権の暴挙によって異常な幕開けとなった。自民党内の金権不祥事を制度問題にすり替え、党利党略によって非拘束名簿式の導入をはかるという選挙制度改悪を強行したのである。参議院における全会派の合意を破り捨て、民主政治の根幹たる選挙制度を、野党の反対に耳を貸すことなく、数の力を背景にわずか7日間の審議をもって強行成立させたことは、まさに民主主義に対する重大な挑戦であり、わが国憲政史上に一大汚点を残すもの、といわなければならない。

  2. また、今度の臨時国会には、あっせん利得罪処罰法案をはじめ、医療、健保制度改革、警察法や少年法改定、そして補正予算案など、政治のあり方を正し、国民生活に深く関わる重要課題が山積し、慎重な審議が求められたところである。にもかかわらず、数を頼む自公保は十分な審議を尽くすことなく、日程のみを優先させ、審議打切り、強行採決を繰り返して「ゴリ押し政治」を強行した。議会運営についてのルールや慣行を無視するなど、国会軽視もはなはだしく、自公保政権の手によって、わが国の議会制民主主義は瀕死の危機におとしめられた。

  3. このような国会のあり方や、「中川問題」、いわゆる「第三国発見方法」発言、そして「KSD問題」など、相次ぐ不祥事を引き起こす森自公保政権に対して、国民は厳しい目を向け、完全に見限った。野党が共同提出した内閣不信任決議案は、国民の意思を代表したものである。自民党内からの同調の動きもあったが、結果的には「コップの中の嵐」に終わり、国民の期待を裏切ってしまった。この経過の中で、もはや森総理は当事者能力を喪失しており、政治の実験は自民党の一部派閥の幹部の手にあることを露呈した。

  4. 今や最大の政治課題は、「森自公保」政権打倒、そして密室談合、金権腐敗の自民党政治を終わらせることにある。わが党は、本日以降、「森内閣打倒、自民党政治を終わらせる世直しキャラバン」を一大国民運動として展開する。国民とともに民主主義を蘇生させ、政治の刷新をはかるために全力を上げる