2000年10月25日
参議院選挙制度に関する度重なる暴挙を弾劾する(談話)
社会民主党幹事長 渕上 貞雄
- 本日の衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で、我が党の北川議員の質問時間中にもかかわらず、与党は質疑打ち切り動議を提出、野党の抗議の中、参議院選挙制度に関する公職選挙法の一部を改正する法律案を「採決」した。本法案は、本年2月25日の参議院各派代表者会議の「当面現行制度を維持する」という合意を一方的に踏みにじり、特別委員会の設置の強行、前代未聞の特別委員の議長指名、与党単独審議の強行、委員会採決の強行、与党議長あっせんの拒否、本会議採決の強行という暴挙の積み上げによる「瑕疵ある」法案である。しかも、われわれは正常化に当たり、「十分かつ慎重な審議」を要求し、本日の参考人質疑でも与党の横暴に対する批判や法案審議が拙速であり国民的理解がないことが指摘された。社会民主党は、不十分な審議のまま一方的な「採決」を認めることはできない。委員会審議を継続すべきであり、本会議は行ってはならない。何らの反省もなく度重なる暴挙を繰り返す与党の姿勢に社会民主党は満身の怒りを持って弾劾する。
- 衆議院の審議において、与党が一方的に導入を打ち出した非拘束名簿式自体民意に適うものであるどころか、票の横流しによって有権者の民意を踏みにじる制度であり、しかも「残酷区」・「銭酷区」といわれた旧全国区を再現し、金権政治の再来につながることがますます浮き彫りにされた。しかし、なぜいま非拘束名簿式にするのかについて明確な説明がないこと、連座制で当選無効の候補者の個人票も政党票にカウントされてしまうこと、経費節減を目指しながら公費負担を増やす矛盾を抱えていること、女性参加を阻む壁が厚くなること、あるべき参議院の姿から見て妥当なのかなど、与党案の問題点は依然として残されたままである。
- 選挙制度は主権者である国民の代表を選出するルールであり、議会制民主主義の根幹である。民主主義の土俵を決めるルールを民主主義的ルールを否定して強行する、これ以上の議会制民主主義の破壊はない。自公保3党の暴走を一つ一つ許すことが日本の民主主義をますます危うくさせる。与党の党利党略の選挙制度「改革」に厳しい審判を下せるのは、主権者である国民のみなさんの良識である。社会民主党は、国民のみなさんとともに、森政権打倒に向けて全力をあげる。