2000年10月13日

声明

社会民主党

一、昨日の参考人質疑でも「時期尚早」「唐突」「異常事態」との懸念の声が大勢を占めていたにもかかわらず本日、自公保三党は、参議院選挙制度に関する特別委員会で非拘束名簿式の導入と議員定数の削減のための公職選挙法の一部を改正する法律案の「採決」を強行した。与党が選挙制度を自らに都合よく変更するため、国民の意見も聞かずに与党が法案を一方的に出して与党だけで審議し、与党だけで決めてしまうのは、議会制民主主義の否定であり、戦後の選挙制度史において特筆されるべき暴挙である。

二、参議院の選挙制度については、本年二月二十五日の各派代表者会議において「当面、現行制度を維持する」ことで各党が合意していた。しかし、久世公堯・前金融再生委員長の大型ヤミ献金問題をきっかけに与党は制度問題に疑惑をすり替え、一方的に非拘束名簿式の導入を打ち出した。しかも、非拘束名簿式自体が民意にかなうものであるどころか、票の横流しによって有権者の民意を踏みにじる制度である。

三、非拘束名簿式の導入は「残酷区」「銭酷区」といわれた旧全国区を再現するだけでなく、政党と国民との絆・結びつきを深めるという比例代表制導入で期待された理念をも否定することになる。政党自らの存在価値自体を問われかねないものにする制度改悪であり、まさに時計の針をはるか昔に戻してしまうことにほかならない。

四、KSD中小企業経営者福祉事業団との関係で明るみに出た村上参議院自民党議員会長の疑惑や、久世問題にみられるように今回の暴挙は票と順位をカネで売買する自民党の金権体質を覆い隠し、ますます政治とカネとの癒着を厚くさせるものである。正常化のための努力を一切拒否し、一瀉千里(いっしゃせんり)に採決まで持ち込んだ自公保三党の無謀な暴走を、これ以上続けさせてはならない。こうした暴走を一つひとつ許すことが日本の民主主義をますます危うくさせる。社会民主党は、自公保三党に対する、主権者である国民のみなさんの厳しい審判を期待する。