2000年11月21日

声明

社会民主党

 昨日、野党4党は、国民の支持を失った森内閣は直ちに退陣すべきであるとして、森内閣に対する内閣不信任決議案を提出した。自公保3党は、与党議員の暴挙によって混乱する衆議院本会議において、数の力を持ってこれを否決した。国民の声を無視するものであり、極めて遺憾なことといわなければならない。与党内においても勇気ある行動が期待されたが、結果的に欠席に終わったことは、国民の期待を裏切り、与党内の権力闘争に終始する密室談合政治そのものである、といわなければならない。

 森内閣は、その発足の経過からして、疑惑と不信に包まれており、相次ぐ憲法理念否定の発言など、国民から総理の資質が疑われ、政権担当能力なしとの厳しい批判を受け、総選挙において惨敗したのである。にもかかわらず、相変わらずの「数の論理」による暴挙を繰り返して民主主義を蹂躙し、「中川問題」やいわゆる「第三国発見案」、「KSD問題」など、国政への信頼を失墜させ、金権腐敗政治を続発させてきた。また、国民の側にたって森内閣を退陣に追い込み、政治の立て直しへの期待が持たれた加藤、山崎派の動きも所詮自民党の抗争にもならず、国民を落胆させ、自民党の体質が如何に非民主的なものであるかを露呈させた。民主主義を踏みにじり、国民の政治不信を増大させた森自公保内閣の責任は極めて重大であり、国民の森内閣並びに自公保に対する怒りは頂点に達している。野党4党の森内閣不信任決議案は、国民の総意に基づくものであり、否決によってその責任を免れることはできない。森内閣は、ただちに退陣すべきである。

 なお、不信任決議案の中で、反対討論に立った保守党松波健四郎議員が野党議員にたいして水をかけるという前代未聞の暴挙を行った。まさに国会をひいては国民を冒涜し、著しく品位をおとしめる行為であり、厳しく処分されるべきである。また、このような暴挙を看過し、議場を混乱させた綿貫民輔議長の不公正な議事運営にたいして、野党はこぞってその責任を追及し、緊急に議長不信任決議案を提出したところである。このような事態は、数の力のみを頼み、約束や取決めを平然と無視し、国会審議を軽視して恥じない自公保政権の危険な実態をさらけ出したものである。

 社会民主党は、暴挙を極め、密室談合政治に終始する与党を厳しく批判するとともに、改めて他の野党と結束を固め、森自公保政権の打倒をめざし、自民党政治を終わらせるために全力を上げる決意である。