2000年12月1日

党声明

社会民主党

一、本日、第150回臨時国会が閉幕した。
 主権者たる国民はその7割以上の意思をもって、森内閣に不信任を突きつけている。野党の提出した森内閣不信任案は、国民の意思を代表したものであるが、その処理をめぐって繰り広げられた自民党の「コップの中の嵐」は、同党の密室・談合体質の醜態を国民の前にさらけ出した。不信任案に同調しようとした自民党内の勢力も恫喝に屈し、自民党にはもはや自浄能力が全くないことを示した。国民の政治不信を解消する努力よりも旧態依然の派閥力学を優先させたことは、自民党のおごりと居直りを示すものであり、国民に対する侮辱である。

一、総選挙以来、元建設大臣の受託収賄罪容疑による逮捕、前金融再生委員長の大型ヤミ献金問題、 KSDの前理事長の背任事件で明るみに出た自民党への巨額な脱法献金と幽霊党員問題、右翼団体などとの関係が疑われて辞任した前官房長官の疑惑など、自民党の利益誘導型政治の腐敗と病理の深さが次々と明るみに出ている。これらに関係が指摘されている議員は、自らその疑惑を明らかにして議員辞職すべきであり、わが党も証人喚問を要求しているところである。

一、森内閣・自公保連立政権は前政権そのままの「数の横暴」に頼る強引な体質だけを受け継ぎ、国民の求める政治改革・政治浄化を自らの都合の良い選挙制度の改革にわい小化し、衆議院に続き参議院の選挙制度までも改悪した。また、かつて自社さ連立政権時代に社民党が提唱したあっせん利得処罰法についても抜け穴だらけの与党案を強引に成立させるなど、「言論の府」としての国会を甚だしく軽視し堕落せしめた。いまや議会制民主主義は崩壊の危機に瀕している。

一、森内閣は、国民が何のありがたみも感じないバラマキの財政運営を続けながら、一方で「逃げ水」と揶揄される社会保障制度の改悪を次々と行い、将来不安を増大させている。森内閣の無為無策は最悪水準の失業率、株価の大幅下落などをもたらし、景気回復・国民生活の安定は望むべくもない。また、森総理の放言・失言癖は常態化しており、その信頼は地に墜ちている。政治の混迷がこれ以上、国民生活、経済・社会に及ばぬよう、森内閣・自民党政治を一刻も早く終えんさせなければならない。

一、21世紀を目前とした今、歴史の転換に対する認識もなく、激動する国際政治に対応できない森内閣・自民党政治は「古い現実」であり、もはやその役割を終えた。国政は主権者たる国民の厳粛な信託によるものである以上、民心が政権から完全に離れた場合、内閣は総辞職するか、総選挙を通じ、政権の選択を国民の意思によって決定するという日本国憲法の大原則が忠実に実行されなければならない。社民党は政治を国民の手に取り戻し、「新しい現実」を担う決意である。そのため、「世直しキャラバン」をはじめとする国民運動に取り組み、森内閣打倒・自民党政治終えんに向け、全力を挙げる。