社 会 民 主 党
財政委員長 渕上 貞雄
98年のわが党の収支状況は、収入額が49億68百万円(前年比9%増)、支出額が56億56百万円(前年比36%増)と、収入・支出とも前年より増加しました。収入増加の要因は借入金によるもので、支出増加の要因は選挙関係費や宣伝事業費及びその他の経費(借入金返済を含む)の増加によるもので、参議院選拳に関連して前年より増加したものです。反面、党費や事業収入など党独自の収入は前年に続き減収になり、支出も組織活動費や機関紙誌の発行事業費などの党の活動費が減少しています。
収入の主な内訳は、その他の収入(政党交付金等を含む)25億82百万円(前年比8%減)、事業収入(機関紙誌等を含む)10億24百万円(前年比7%減)、借入金7億50百万円(前年比皆増)、党費5億46百万円(前年比8%減)、支部からの収入39百万円(前年比403%増)、寄附27百万円(前年比25%減)、などです。党の独自収入で基本収入となる党費、機関紙誌、定期出版、資料頒布会及び議員団委託金などの収入が収入額の1/3程しかなく、前年に続き減少しています。また、政党交付金(24億72百万円)が収入額の60%を占め、収入に占める割合を増しています。
支出の主な内訳は、寄附・交付金23億34百万円(前年比12%増)、その他の経費7億59百万円(前年比6712%増)、選拳関係費7億47百万円(前年比1246%増)、機関紙誌の発行事業費5億88百万円(前年比2%減)、事務所費4億95百万円(前年比4%増)、人件費4億15百万円(前年比25%減)、組織活動費1億33百万円(前年比9%減)、その他の事業費67百万円(前年比34%減)、宣伝事業費59百万円(前年比15%増)、調査研究費37百万円(前年比18%減)、備品・消耗品費21百万円(前年比39%減)です。参議院選挙に関連し選挙関係費、宣伝事業費そして寄附・交付金の支出増加と借入金返済によるその他の経費の増加で支出が増加しました。反面、人件費(機関紙の人件費も含む)や組織活動費そして調査研究費などの党の活動費は減少しています。
なお98年の借入れは全額返済しています。
98年の全国連合と都道府県連合を合計した政党交付金の使途状況(支部政党交付金の収入・支出を除く)は、収入額が24億73百万円(前年比10%減)、支出額が32億81百万円(前年比47%増)と、収入は減少し支出が増加しました。また、政党交付額の1/2強の13億77百万円(前年比40%増)を支部政党交付金として都道府県連合へ交付しました。
収入の内訳は、政党交付金24億73百万円(前年比10%減)と基金運用による果実(受取利息)です。
支出の主な内訳は、選挙関係費10億36百万円(前年比1758%増)、人件費9億58百万円(前年比19%減)、事務所費5億41百万円(前年比6%増)、寄附金2億74百万円(前年比19%増)、宣伝事業費1億62百万円(前年比471%増)、組織活動費1億25百万円(前年比183%増)、機関紙誌の発行事業費1億14百万円(前年比3%減)、備品・消耗品費53百万円(前年比47%増)、調査研究費9百万円(前年比10%減)、光熱水費8百万円(前年比4%減)などです。選拳関係費や宣伝事業費そして組織活動費などの増加により大幅な支出増になりました。
また、政党〈支部政党)基金として積み立てた金額は5億67百万円(前年比59%減)と、大幅に減少しました。
全国連合の使途状況は、収入額が24億72百万円(前年比10%減)、支出額(支部政党交付金を除く)が18億18百万円(前年比40%増)と、収入が減少し支出が増加となりました。
収入の内訳は、政党交付金は24億72百万円(前年比10%減)と基金運用による果実(受取利息)です。政党交付金の減少は、参議院選挙結果の得票数と当選議員数の減少により政党交付金が減額されたものです。
支出の内訳(政党交付金を除く)は、選拳関係費6億39百万円〈前年比4924%増)、事務所費4億28百万円(前年比5%増)、人件費4億11百万円(前年比22%減)、寄附金1億85百万円(前年比16%減)、機関紙誌の発行事業費1億14百万円(前年比3%減)、組織活動費40百万円(前年比皆増)です。選拳関係費などの増加により支出増となりました。また人件費関係(機関紙誌の発行事業費の支出を含む)の支出が30%弱と人件費の占める割合が減っています。
政党交付額の1/2強の13億77百万円(前年比40%増)を支部政党交付金として都道府県連合に交付しました。また、政党基金として積み立てた金額は2億50百万円(前年比74%減)と、大幅に減少しました。
政治献金について、1)企業・団体からの政治献金の中には、大幅な赤字決算に陥っている建設会社や公的資金導入を求めた銀行などが政治献金を行なっています。それら企業の政治献金は国民を裏切ることであり、政治献金を即刻中止すべきです。また2)保守系議員や候補者が政党の支部〈選挙区支部)の代表者となり、政党の支部を利用して奇附を集めています。このことは中島洋次郎問題で問題とされましたが、政党の活動を歪めており自粛すべきです。
わが党は、政党交付金の使途については国民の批判を浴びないよう飲食を目的とする費用に支出しないなど適切な使途に努め、選拳活動費はじめ宣伝事業費などの政治活動に活用しました。
中島洋次郎元衆議院議員が助成法違反や規正法違反などで逮捕され実刑判決を受けましたが、二度とこのようなことが起きないよう県連合(又は県本部)以外の支部(選挙区支部)への支部政党交付金の交付を禁止するなど、法改正が必要です。
政治家と政治資金の関係は、国民に明らかにして有権者の判断を仰ぐ必要があります。政治家のあっせん利得を禁止する地位利用収賄罪処罰法と、政治倫理委員会の設置や国会議員の資産公開の実効性確保を目的とする政治倫理法の整備に努めます。
また、政治資金規正法附則第9条(5年後に企業・団体の資金管理団体に対する寄附の禁止)に基づき2000年1月1日から政治家への企業・団体献金の禁止を実施できるよう強く求めていくとともに、各政党と協力して規正法改正の実現に努力していきます。