1999.6.18

選挙制度についての考え方

社会民主党

現行小選挙区比例代表並立制の問題点
・得票率と議席率の乖離、死票の増大、一票の格差の拡大、少数党に不利などの様々な矛盾。

定数削減について
・一票の価値の格差の是正、民意の反映、政治腐敗の根絶という政治改革の原点にかえって、選挙制度の基本問題を論議すべき。定数問題はその延長線上のもの。

自民党と自由党の合意(比例代表50削減)について
・選挙制度改正はあくまでも各党の一致が前提
・主権者である全国民が直接政治に参画することが困難であることから議員を通じて国政に参画するという代議制がとられた民主主義の原点からすると、一方的な議員定数の削減は民意の反映に逆行。
・第一党及びそこと協力する政党の議席の比率を過大にし、中小政党及び幅広い民意の切り捨てに。
・現行の比例部分は小選挙区制の欠陥を補う意味で設けられたものであり、比例代表選挙区定数の削減は、比例代表正の長所である民意の反映という機能を弱めるとともに、小選挙区比例代表並立制の欠陥を強化。

社民党の改革案(小選挙区併用型比例代表制)
・社民党は、一九九三年に、総定数500人(比例区=12ブロック、小選挙区=200人)で1人1票・個人名と政党名の2記載の案を公明党と共同提案。
・民意の反映、政党が政策を提示して有権者の判断を仰ぐという政党政治の観点からも、「小選挙区併用型比例代表制」がのぞましい。

現行制度の個別課題に改善
・衆議院議員(比例)から衆議院議員(小選挙区)への「くら替え出馬」の是非や、消滅政党の名簿から当選することの是非、比例議員の政党間移動の是非など現行制度の個別の問題については、是正をすべき。
・比例議員の政党間移動の是非については、自社さ3党で、「選挙時に選挙名簿を提出して有権者の審判を受けた他の名簿届出政党に移籍した場合には退職者とする」旨の法案を提出。
・「法定得票数以下や供託金没収でも当選することがおかしい」という論議については、比例代表選挙と小選挙区選挙は別の選挙であるという前提で考えれば、問題はない。
・これは並立制と重複立候補制度によって生じるのであって、本来、選挙制度を抜本的に見直すのであれば、問題は生じない。

その他の課題
・「在日外国人に地方選挙権の付与」の推進。
・「日本人船員の洋上投票」の推進。
・「18歳選挙権問題」の推進。

政治倫理関係の課題
・政治資金規正法付則第9条の期限は2000年であり、この際法律通りきっぱりと禁止するため、今国会にも「禁止する措置」を講じるべき。
・同法付則第10条(政党・政治資金団体に対する寄付のあり方)についても、政治不信の解消につながるよう、禁止の方向での対応が必要。
・自社さ3党で提案している政治倫理関連の諸法案(収賄罪で刑に処せられた者の被選挙権の停止期間の延長、比例代表選出議員の政党間移動の制限、政治資金の金融機関口座の整理・透明化、国等から補助金を受けている法人等の政治活動に関する寄付の制限、議員の兼職禁止に係る行為規範の改正、国会議員の株取引の規制)、民主党と共同提案している国会議員の地位利用収賄罪法案の早期成立が重要。