2000年11月30日
社会民主党全国連合
幹事長 渕上貞雄
本日、福岡拘置所、名古屋拘置所に収監されていた死刑確定者3名に対して死刑が執行された。
社会民主党は、死刑が人道に反し社会正義の実現にもとるものと考え、その廃止を訴え続けてきた。今回、わが党のたびたびの申し入れにもかかわらず、さらには終身刑導入をめぐる議論が活発化する一方で死刑が強行されたことは、誠に遺憾であり、つよく抗議するものである。
死刑については国連総会において「死刑廃止条約」(1989年12月)が採択され、死刑確定者の処遇問題についても国連経済社会理事会による「死刑に直面している者の権利の保護の保証の履行に関する決議」(1989年5月)が国連総会出席加盟国(日本を含む)の全会一致で承認されている。さらに、国連人権委員会においても「死刑廃止に関する決議」がなされ、死刑存置国に対しては「死刑に直面する者に対する権利保障を遵守するとともに、死刑の完全な廃止を視野に入れ、死刑執行の停止を考慮するよう求める」との呼びかけがされている。また、98年11月には、国際人権(自由権)規約委員会から政府に対し、死刑を法定刑とする犯罪を減少させ、死刑確定者の処遇の改善を求める勧告がなされている。
わが党はこうした状況を踏まえ、死刑制度の存廃や死刑に代わる措置など刑罰のあり方について国民的議論を尽くすべきであり、少なくともそれまでの間は死刑執行を差し控えるべきであることをあらためて訴えたい。社会民主党は、今後も死刑制度の見直しのために全力をあげて取り組む決意である。
以上