閉会中の死刑執行に抗議する(談話)

1999年12月17日

社会民主党幹事長 渕上貞雄

1.本日、政府は、東京拘置所並びに福岡拘置所に収監されていた死刑確定囚2人の死刑を執行した。今回もまた、臨時国会直後の、議員間の連絡や意思表示ができない閉会中の死刑執行であり、社会民主党は厳重に抗議する。

2.前回の9月、そして昨年11月、6月の執行日もまた国会閉会中であった。私たちは、たびたびこの点の不合理をついて、法務委員会においても「国会での論議を避けるな」と臼井法相にクギをさしたばかりである。しかしながら、たび重なる申し入れにもかかわらず、今回も死刑を執行したことは、国会での議論を全く無視しているものであり、言語道断といわざるをえない。また、衆議院総選挙をにらんでの「死刑執行をしない法務大臣を作らない」といわんばかりの法務省当局の姿勢は許しがたい。

3.昨年11月の死刑執行は、同月6日に、国連人権B規約の規約人権委員会が日本政府に対して、「死刑廃止をめざした措置をとり、その間は死刑適用は最も深刻な犯罪に限ること」などと勧告した直後でもあった。また、国会や司法制度改革審議会の「終身刑」をめぐる論議もこれから始まろうとしているところである。したがって、国会の場で集中的な論議を尽くすまで死刑執行を一時停止するとともに、死刑の代替刑や被害者救済制度などの法的整備を急ぐべきであり、社会民主党はこの実現のために全力をあげる。