2001年11月25日
「テロ対策特措法」に基づく自衛隊の海外派遣を弾劾する(声明)
社会民主党
- 本日、「テロ対策特措法」に基づいて、「米軍等への支援」を目的として海上自衛艦がインド洋に向けて出発した。私たちは、この「2001年11月25日」という日を決して忘れることはない。それは、自衛隊を海外に派遣するという事実をもって平和憲法が踏みにじられ、戦後半世紀以上にわたって、いかなる戦争にも参加せず、ただひとりの戦死者もださなかったわが国が、米軍等の行う戦争に現実に「参戦」した日だからである。社会民主党は、憲法をないがしろにする小泉内閣のかってない暴挙に対して、満身の怒りを込めて弾劾する。
- 9月11日の、米国における同時多発テロの発生以来、小泉内閣は、「まず自衛隊派遣ありき」として、国会における討論も不十分なまま、「テロ対策特措法」の成立を強行した。その内容は、小泉首相自身が、「憲法との間にはスキ間がある」と認めざるを得ないほど矛盾に満ちたものであり、国会における首相の答弁は、すり替え、詭弁に終始し、「戦争参加」の実態を覆い隠すものであった。
戦闘中の米軍等に対して、自衛隊が燃料の補給や人員・物資等の輸送を行うのは、国際常識からみて、「参戦行為」にほかならず、「戦闘地域には派遣しない」とする政府答弁は通用するものではない。また、これらの支援行動が、米軍等の軍事作戦と一体化するのは自明の理であり、憲法の禁ずる集団的自衛権の行使そのものである。
- 今、わが国は、小泉内閣の手によって、平和憲法の下で築き上げてきた「不戦国家」への努力が葬り去られようとしている。このことは、渦中のイスラム諸国とこれまで培ってきた友好関係を損なうばかりか、アジア、近隣諸国のわが国に対する不安と不信をも増大させ、わが国の将来に大きな禍根を残すに違いない。
社民党は、政府に対し、自衛隊への派遣命令を即時撤回するよう強く求める。そして、とめどない右傾化に突っ走る小泉内閣と全面的に対決し、平和憲法と民主主義を守るために全力をあげる決意である。