特殊法人等整理合理化計画について(談話)

2001年12月18日

社会民主党幹事長
福島瑞穂

  1. 政府の行政改革推進本部・特殊法人等改革推進本部の合同会議で「特殊法人等整理合理化計画」が決定された。今回の「改革」論議は、特殊法人等が担っている事業・業務が、国民にとって必要かどうか、廃止・縮小が本当によいのかといった政策的な精査がほとんどされないまま、組織論・経営形態論に終始した。その結果、「廃止」・「民営化」といっても、独立行政法人化や特殊会社化にすぎなかったり、分割・統合したり、調整のつかない政府系金融機関や空港関係公団などはあいまいなまま先送りしたりと、大山鳴動のパフォーマンスにとどまった。これはひとえに小泉首相の「廃止」・「民営化」の打ち上げという見識のなさに由来するものである。

  2. 本来、改革すべきは、特殊法人等の経営破綻や行き詰まりを生みだした温床である政官業癒着と自民党議員・特権官僚の支配構造であり、そこに大胆なメスを入れなければならなかったはずである。しかし、政治家・官僚・業界内の利権・権益の争奪戦を、「改革派」対「抵抗勢力」という構図として演出することで、肝心の中身の論議が捨象され、すべての責任を特殊法人とそこで働く労働者や利用者・国民に押しつけることになってしまい、到底改革の名に値しないものとなった。しかも、「切り込もう」とされたのは公共賃貸住宅、住宅金融公庫、育英会など、国民に痛みを強いる分野ばかりである。

  3. 社民党は、政策的必要性の是非を考えた上で、(1)情報開示の徹底と運営実態の透明化、(2)事業内容及び政策目的の精査、(3)政策・事業決定システムの見直しと政官業癒着の追及、(4)子会社・ファミリー企業の規制、(5)「天下り」・「渡り鳥」の規制――の5つの視点で特殊法人の抱える諸問題にメスを入れ、国民生活の向上のための真の改革に取り組む。