2000年2月16日

東京都の銀行に対する外形標準課税の導入について(談話)

社会民主党 幹事長
渕上 貞雄

1.社会民主党は、物税としての事業税の性格の明確化、都道府県税収の安定的確保、地方税の独立性確保等の観点から、法人事業税の課税標準として事業の規模ないし活動量を表す「外形標準」を早期に導入すべきことを主張してきた。

2.わが党は、本日、東京都が地方税法72条の19にある事業税の課税標準の特例規定を活用し、銀行に対する法人事業税について外形標準課税導入条例案を都議会に示したことについては、自治体の課税自主権の保障という観点から歓迎する。

3.しかし、今回の東京都の案は、(1)対象を資金量5兆円以上の大手銀行に限っていること、(2)5年間の時限措置であることから、短期的な税収補填にあるように思われる。したがって、5年後の事業税体系に対する基本的構想や、銀行以外の他の事業体への導入の展望等について不明な問題点が余りにも多い。そればかりか今回の東京都の先行的実施が法人事業税の外形標準課税への全国的な展開について、国民の理解を本当の意味で促すものになるのかどうか疑問なしとしない。都民と国民の理解が深められるよう、都議会において徹底的な審議を求めたい。

4.現在、政府税調は、外形標準課税の導入について合意しているものの、景気回復後の課題として、実施時期等については明示されていない。社民党は、今後、大都市自治体の財源危機解消と地方分権を保障する地方財源の抜本的拡充の契機となる本格的な外形標準課税の早期実現に向けて取り組んでいく。