2000年2月29日

平成12年度予算案衆議院通過にあたって(談話)

社会民主党政策審議会長
濱田 健一

 

1,本日、平成12年度予算案が衆議院を通過した。残念ながら政府予算案は、従来型の公共事業偏重予算であり、選挙向けの典型的な「ばらまき」予算だと言わざるを得ない。国民の期待する内容とはかけ離れており、政府予算案では経済を自律的な回復軌道に乗せることは困難である。このような予算案が通過したことは極めて遺憾である。
 消費や民間設備投資を活性化し、経済を回復軌道に乗せるためには、社民党が従来から主張してきたように生活、福祉、環境、雇用、情報通信等に大きくシフトした予算編成にする以外にない。

2,今年度予算総額85兆円弱のうち、32兆6100億円は、国債発行によって賄われる。また22兆円は借金の返済である。国と地方を合わせた長期債務残高は2000年度末には645兆円にも達する。もはや借金漬けの財政は限界である。適切で均衡のとれた公債政策を実行すべきであり、財政立て直しに向けた具体的な筋立てを明確にすることが早急な課題である。社民党は財政立て直しに向け、幅広く国民各階層への議論を呼び掛けたい。

3,政府予算案では、年金・介護・医療・子育てに対する配慮が欠けている。医療保険制度に関しては、抜本改革の姿を示さず、負担だけを国民に押しつけるものとなっている。年金制度についても、給付水準を引き下げたばかりか、国民への公約である基礎年金の国庫負担引き上げすら見送られている。児童手当の拡充も現行制度では限界があり、年少扶養控除の停止を含め、抜本的な見直しが必要である。

4,防衛関係費は、社民党が与党当時の98年以降、2年連続して対前年度マイナスだったが、自・自・公連立政権となった途端に、対前年度0.1%プラスとなった。社民党としては、この流れが定着していくことだけは阻止していきたい。現在の財政事情、経済状況を考慮すれば、後年度負担となる正面契約額や思いやり予算(在日米軍駐留経費提供施設整備費等)は大胆に抑制すべきだ。

5,社民党は政府予算案に反対したが、参議院における審議はこれから始まる。社民党は野党共闘を重視しつつ、政府与党と徹底した論戦を展開していきたい。この論戦を通して政府予算案の問題点をさらにえぐりだすとともに、小渕政権を解散総選挙に追い込んでいく決意である。