2001年3月26日
2001年度予算案成立にあたって(談話)
社会民主党 幹事長
渕上 貞雄
- 本日2001年度予算案が成立した。しかしこの予算は、国民の期待するものとは、あまりにも大きくかけ離れている。しかも審議も十分に尽くされたわけではない。焦点になっている外交報償費だが、政府は野党三党が提出した大幅減額案を拒否した。常識からするととても理解できない対応であり、何よりも国民が納得しない。
- 多額の国債発行に依存している政府予算では、財政悪化が一段と進む。財政状況が厳しく、国の債務が限界に達しているということは誰が見ても明らかだ。このような状況の中で政府与党は3000億円もの公共事業等予備費を計上している。参議院選挙目当てなのだろうが、こういう政治的思惑を優先させた予算を計上し続ける限り、現在の与党による財政健全化へ向けた対策は到底無理だ。
- 政府予算案は相変わらず旧来の省庁枠予算を踏襲したものであり、公共事業偏重の‘ばらまき’予算である。新幹線、空港、ダム、港湾・海岸整備事業など、無駄な事業は大幅に削減できるはずだ。
国民が省庁再編に求めたものは、縦割り行政の弊害を改めて無駄な予算を削減し、雇用、福祉、環境、教育など国民が本当に必要としている分野の予算を充実することだった。政府予算案は、この国民の期待を裏切るものだ。
- 社会保障関係費も不十分だ。21世紀に社会保障を展望するなら、両性が両立できるための施策、少子高齢化への施策をもっと充実すべきだ。
雇用・失業対策も納得できない。雇用の悪化をくい止めるためには、介護サービス分野における大胆な人材育成など、抜本的な雇用対策を実施すべきだ。
- 防衛関係費は、朝鮮半島における南北和解の進展など、北東アジアの状況変化を踏まえるなら大幅に削減できる。いまや近隣諸国の軍事力と比較して、日本の防衛力もなんとかしようという硬直した発想からは抜け出すべきだ。日本がアジアの緊張緩和を創りだしていくんだというくらいの気概をもつべきだ。空中給油機の調査費は社民党として認められない。