2000年2月15日

建設大臣
中山正暉殿

社会民主党全国連合
党首 土井たか子

吉野川可動堰計画に対する住民投票結果にもとづく申し入れ

 さる1月23日、徳島市で行われた吉野川可動堰建設の賛否を問う住民投票は、反対票が投票数の90%に及びました。徳島市民は、可動堰を建設すべきでないと結論を出しました。このことは、建設省の「首長や流域議会の推進決議が民意だ」として推し進めてきた計画が、誤りであることを意味するものです。そしてまた住民の民意は「可動堰ではなく、250年間、吉野川の自然と住民の暮らしを守ってきた、これまでの第十堰を残すことである」ということが明白となりました。

 建設省の推し進めている可動堰計画は、「150年に1度の洪水対策」というのもであるが、あまりにも根拠が薄弱です。そもそも、この可動堰建設計画は、1030億円の建設費と、毎年7億円の維持費を必要とし、財政赤字の中困難であり、また本当に必要としている事業への支出の妨げとなります。

 社会民主党は、この住民投票によって示された真撃な民意を重く受け止め、よって、下記の通り申し入れます。

 

  1. 1月23日に行われた、住民投票の結果を尊重し、可動堰計画を白紙撤回すること。
  2. 吉野川第十堰建設事業審議委員会で、学者や市民団体から提案された、現堰の補修、堤防の補強等、代替案について、早急に検討実施すること。
  3. 改正河川法にもとづき治水・利水・環境などに配意した、吉野川総合計画を流域住民の合意のもとに策定すること。

以上