2000年8月28日
与党三党の公共事業中止勧告について(談話)
社会民主党
幹事長 渕上貞夫
- 本日与党三党は、島根県中海干拓など200以上の事業、総額2兆8千億円の公共事業を原則として中止するよう、森総理や関係閣僚に勧告した
中止の基準は(1)事業採択後5年以上経過しても未着工、(2)完成予定年度から20年以上経過しても未完成、(3)政府の再評価で凍結中、(4)実施計画調査に着手後10年以上経過しても未採択の4基準である。
中海干拓については、社民党はとくに「自社さ」政権時から中止を訴えてきた経緯があり、与党の基準の是非はともかく、干拓中止の決定については評価したい。
- しかし与党の基準は、あくまで事業の計画が策定されたもの、あるいはすでに着工されたものを中止するにあたっての基準である。事業に付き物である「ばらまき」や「無駄」をどうなくしていくのか、環境への配慮はどのような形で行うのかなど国民が最も関心を寄せている問題点については、なんら触れられていない。
与党の基準は単に「うまくいきそうにない事業は、とりあえず考えなおす」といった程度にすぎず、来年の参議院選挙目当てだというしかない。
- 問題なのは200以上、総計2兆8千億円の事業が中止、見直しになるというにもかかわらず、来年度の公共事業費の総額は本年度並に維持されていることだ。公共事業を見直すことによって、費用が削減されるのであれば、その分は、厳しい財政事情に寄与させるのが本来の趣旨であるはずだ。この点でも、与党はなんのために公共事業を見直そうとしているのか明確にする必要がある。
- 社民党は早くから「公共事業基本法」の制定を提案し、環境保全、費用対効果、歳出削減、住民参加の視点から公共事業の見直しの方向についての論議を喚起していきたい。