【談話】衆議院の比例区45議席削減法案について
2026年6月26日
社会民主党全国連合幹事長 ラサール石井
与党の自民党と日本維新の会は6月23日、「衆議院議員の選挙制度改革及び定数削減に関する法律案」を議員立法という形で取りまとめた。法律案の要綱によれば、「この法律の施行の日から1年以内」に「法制上の措置が講じられない場合」は、「比例代表選出議員の定数を176人から45人削減して131人とすることにより、衆議院議員の定数を420人とする」という内容である。
衆議院議員の定数は現在465人であるので、小選挙区選出議員は減らすことなく比例区選出議員だけを削減して総定数を420人とするのである。なぜ小選挙区は289人のままとし、比例区だけ176人の約25%にあたる45人も削減するのか。まったくもって理解できない。
仮に、比例区だけ45人を削減した場合、各メディアの試算では、自民と維新の議席占有率は75.7%(352/465議席)から80.5%(338/420議席)に上昇する。比例区の議席を削減するだけで、与党は何ら労せずして議席占有率を5ポイントもアップさせることができてしまうのである。その分、影響を受けるのは中規模・小規模の政党であり、野党である。高市政権に異を唱える政党を衆議院から排除することが真の狙いであって、党利党略・個利個略以外の何物でもない。
そもそも、国際比較でも日本の国会議員数が多過ぎるということはなく、とりわけ欧州諸国との比較では、人口当たりの国会議員数は、日本は少ない方である。また、現在の衆議院の総定数465という数は戦後最少であり、これ以上削減することの合理的な理由を見出しがたい。2016年1月の「衆議院選挙制度に関する調査会答申」も、「現行の衆議院議員の定数は、国際比較や過去の経緯などからすると多いとは言えず、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難い」と断じている。
日本は議院内閣制であり、政府入りする国会議員も少なくない。首相、閣僚、副大臣、大臣政務官など約70名の国会議員が政府入りする現状で、これ以上、国会議員を削減することは国会運営面での支障を来たすとともに、国会による行政監視機能の維持にも悪影響を与えかねない。
与党が取りまとめたのは「衆議院議員の選挙制度改革及び定数削減に関する法律案」であるというが、「定数削減」はあっても「選挙制度改革」はなく、現状の小選挙区比例代表並立制を変更するものではない。今年2月の衆議院議員総選挙で、自民党は小選挙区での議席占有率が86%(249/289議席)に達したが、得票率は49%だった。まさに「4割台の得票率で8割台の議席を占める」ことができる小選挙区制のマジックで、高市自民党は「歴史的大勝」を収めたに過ぎないのである。
社民党は、与党の党利党略である衆議院の比例区45議席削減法案に断固反対するとともに、民意を正確に議席に反映する比例代表制を中心とした選挙制度への改革に向け、全力を尽くしていく決意である。