2013年4月28日

「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」の開催に抗議する(声明)

社会民主党

1.本日、政府主催の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」が開催された。1952年4月28日は、サンフランシスコ講和条約の発効によって本土の主権が回復された一方で、沖縄・奄美・小笠原にとっては、米軍の施政権下に置かれ日本から切り離された「屈辱の日」である。沖縄では、県議会の全会一致での抗議決議が採決され、式典の開催中止を求める集会やデモが行われてきた。本日も、同時刻に開催される「4・28『屈辱の日』沖縄大会」や、鹿児島・奄美での「4・28『奄美切り捨て』抗議集会」など、様々な形で抗議の声が表れている。政府は、これら県民の意思を重く受け止め式典を中止すべきだった。社民党は、切り捨てや苦難の歴史を無視して式典を断行したことに対し強く抗議する。

2.また、「主権回復」を果たしたはずの本土でも、講和条約と同日に発効した旧「日米安全保障条約」と「日米地位協定」とその前身である「日米行政協定」によって、米軍の治外法権や法の下の不平等が放置されてきた。1953年に群馬県で起きたジラード事件では、米兵容疑者の量刑を軽減する密約を交わしていたことが明らかになっている。1957年の砂川裁判では、一審で米軍駐留は違憲であるとの「伊達判決」が下されたが、政府は高裁への控訴を飛ばして最高裁に上告して一審判決を破棄させた。安保条約の違憲性について法的判断を「司法審査権の範囲外」とした最高裁の判断は安保条約や行政協定(地位協定)が、事実上、日本の国内法よりも上位にあることを明らかにした。その後の各地の爆音訴訟でも、「司法も行政も米軍機の飛行には関与出来ない」との判断が続いている。

3.1947年の日本国憲法施行によって「国民主権」が確立されたからこそ戦後日本の民主化が国際社会から認められ、講和条約発効によって「国家主権」を回復したのであって、「平和憲法なくして講和条約なし」、「国民主権なくして国家主権なし」という歴史の事実を直視すべきである。沖縄では、1972年5月15日の本土「復帰」後も「平和憲法の下での復帰、基地のない沖縄」は実現されず、在日米軍専用施設の74%が集中し、県民の人権と安全が侵害され続けている「半主権状態」のままである。政府は「主権回復」を記念するまえに、オスプレイ配備や普天間基地の辺野古移設の撤回を米政府に求めるべきである。

4.安倍首相の独善によって沖縄県民の心は踏みにじられた。天皇の式典参加は、天皇がこれまで沖縄との関係に払われた努力を無にするものであり、天皇の「政治利用」の疑念がある。社民党は、沖縄をはじめ米軍基地の存在に苦しめられている全国の仲間とともに、米軍基地の整理・縮小・撤去や日米地位協定の全面改正に全力で取り組み、真の「主権回復」を実現していく決意である。

以上

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