2008年7月29日
社会民主党農林水産部会長 菅野哲雄
1. 政府・与党は昨日、総額745億円の漁業者支援策を決定したとされる。今月15日の全国20万隻一斉休漁を見ても明白なように、5年間で3倍以上に達した漁船用燃油価格の暴騰は、もはや漁業関係者の自助努力の限界を超え、日本の漁業を危機に陥れている。今回の支援策で政府・与党は、ようやく燃油代の直接補てんに踏み込んだものの、その規模、内容は極めて不十分と言わざるを得ない。
2. 80億円の燃油代補てんは、昨年12月の燃油価格、キロリットルあたり8万6000円を基準値とし、値上がり分の9割を補てんするものとされている。しかし、漁家の採算ラインはキロリットル6万円程度といわれる中、基準値は採算ラインに限りなく近づけるべきである。また、補てんには、年油消費量を1割以上削減することが条件と言われているが、漁家の合理化努力が限界を超えている以上、すべての漁業関係者を補てん対象とすべきである。
3. 全漁連によると、現在キロリットル10万円を突破した燃油代が今後も値上がりを続けた場合、全国の漁業者の2割に相当する2万3000以上の漁家が廃業に追い込まれ、漁獲高は4割減ると推定される。当然、59%にまで低下した魚介類の自給率がさらに低下することも間違いない。社民党は、すべての漁家を対象に、燃料代の直接補てん代として最低1000億円の予算を確保することを中心に、日本の漁業を守るために政府が万全の対策を講じることを強く求める。
以上
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