社会新報

【8月31日の福島党首会見】国葬経費なぜ事後報告~財政民主主義を踏みにじる

 

 

(社会新報9月7日号2面より)

 

 社民党の福島みずほ党首は、8月31日、参院議員会館で会見し、「安倍晋三元首相の国葬は撤回すべき」と改めて強調した。「岸田首相らは『国の儀式として行う』としているが、これが先例となるなら、今後、法的根拠がなくても、『国の儀式だ』と、なんでも出来てしまう」と法の軽視を懸念。国葬の経費についても「政府は、今年度予算の予備費から2億5000万円支出する、国葬の後に精査して報告するとしているが、これは大問題」と批判。「国の財政は、予算案として提出され、審議され、そこで承認されて支出し、さらに決算で報告されなくてはいけないという、財政民主主義をとるべき。国会の関与なく、勝手に使ってしまうのは、財政民主主義を踏みにじるもの」と問題視した。
 国葬の経費の積算も総額も明らかにされていない点についても、「警備費用等でいくらかかるのか、報道によって違うがG20の例から50億、100億かかるという説もある。何をどう含めて、いくらになるのか、国会や国民に明らかにすべきだ。『精査して事後報告する』といっても恣意的な精査が行なわれる恐れもある」と指摘。さらに国葬によって、様々な問題を正当化してしまうことにも言及。「統一教会との関係が深かった安倍元首相が国葬されることは、多くの深刻な被害をもたらしてきた統一教会の活動を正当化してしまうものだ。国葬の案内状をミャンマーにも送っているとのことだが、これも、軍によるクーデターや民主化活動家の死刑などにお墨付きを与えてしまっている」と批判。「国葬によって様々な疑惑がなかったことにされ安倍元首相がレガシーとなり、その遺志をついで改憲しようという動きになりかねない。安倍政治は政治の私物化だった。社民党として国葬には断固反対し、撤回を求めていく」と意気込んだ。