社会新報

【3月8日の福島党首会見】高市経済安保担当相は大臣を辞任し議員辞職せよ~総務相時代に放送法の「政治的公平」で新解釈を示し、「報道の自由」抑圧を目論む

定例会見に臨む福島党首(3月8日、参院議員会館)。

 

 社民党の福島みずほ党首は3月8日、参院議員会館で会見を行ない、「高市早苗経済安保担当相は大臣を辞任し議員辞職すべき」と述べた。

 放送法における「政治的公平」について、福島党首は参院予算委で質問したと報告。「これは、官邸からの圧力によって報道の自由が侵害されたのではないかという重大な問題だ」との見解を示した。高市大臣は総務相であった2015年5月12日、「政治的公平」の判断を従来のように各局の番組全体でするのではなく、個別の番組で判断するとの新解釈を示した。さらに翌年2月8日、高市大臣は「政治的公平を欠く」と判断した放送事業者には電波停止を命令もあり得るとの発言をした(停波発言)。これらについて福島党首は「官邸からの圧力によるものだったことは明らかになりつつある」として、安倍元首相や高市大臣とともに、当時、首相補佐官として「政治的公平」の新解釈をまとめた礒崎陽輔氏を「証人喚問すべき」と語った。

 また、「政治的公平」の新解釈をめぐる一連のやり取りについての行政文書について、高市大臣が「捏造(ねつぞう)」と主張、「本物なら辞職する」と強弁したものの、本物であることが判明すると「内容が正確でない」と詭弁(きべん)をろうしていることについて、福島党首は「(内容が正確か否かの)立証責任は高市大臣にある」「『捏造』と『不正確』では全く違う」と批判し、高市大臣の辞職を求めた。

 福島党首は、高市大臣の新解釈以降、NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子さん、テレビ朝日「報道ステーション」の古舘伊知郎さん、TBS「news23」の岸井成格さんなど、安倍政権に批判的だったメディア関係者が相次いで降板となったことに言及。「戦争に向かう国は報道の自由を侵害する」として、「『政治的公平』の新解釈や停波発言の撤回を求めていく」と述べた。