(社会新報3月7日号1面より)
「新しい戦前にさせない 平和力結集へ~軍拡より防災・生活へ」をスローガンに、社会民主党は2月23、24の両日、都内で第20回定期全国大会を開き、代議員124人を含む約200人が参加した。今年中にも想定される衆議院議員選挙で5議席、比例票2%を獲得目標とする方針を決定した。(2面に来賓あいさつ。2~3面に質疑答弁詳報。4面に大会宣言。総決起集会は次号4・5面に掲載)。
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あいさつに立った福島みずほ党首は、冒頭、立憲民主党の西村智奈美代表代行と日本共産党の田村智子委員長の女性2人が来賓出席したことについて「女性が3人並ぶことを大変うれしく思う」と述べた。
党首は、能登半島地震の被災者にお見舞いの言葉を述べた。2月19日に被災地の珠洲市と輪島市を視察したことを振り返り、「多くの家屋が損壊し、道路は破壊され、輪島の朝市の火災現場や珠洲、輪島の隆起した海岸などは心をえぐられるような被害だった」と語った上で、党として被災者支援に全力で取り組む決意を表明。そして「珠洲原発建設を阻止した地元の人たち、社会党の人たちの頑張りに心から感謝した。みんなを救ってくれたのだ」と述べ、脱原発運動の強化をあらためて強調した。
また、来る衆院選について「各ブロックで本当に頑張っていただき、5議席獲得を実現しよう」と奮起を促した。
企業団体献金の禁止を
党首は、裏金問題で大きく揺れる自民党政治について「自民党は経団連から年に23億円の献金を受けている。政治資金パーティーを行ない、巨額資金を集めてきた。形を変えた企業献金である。しかも裏金にし、政治資金規正法上記載されない金であり、収入にもしていない。裏金をもらった議員は政治倫理審査会で全員説明をすべきだ」と求めた。その上で、社民党は企業団体献金の廃止、政治資金パーティーの規制に全力を挙げると強調した。
また、今国会に提出される、秘密保護法大改悪法案である経済安保セキュリティクリアランス法案について、「今まで主に公務員が対象であった秘密を扱えるかどうかの『適性評価』を大幅に民間人に拡大をするもの。『秘密』のブラックボックスがどんどん拡大をしていく。国民の知る権利やプライバシー権が侵害される恐れが飛躍的に拡大する」と厳しく批判し、この法案の阻止を訴えた。
党首は、沖縄を含む南西諸島で自衛隊基地とミサイル攻撃計画が進行していることについて「集団的自衛権の行使で敵基地攻撃をすれば、相手国からは先制攻撃とみなされ、日本全土が戦火に見舞われる可能性がある。戦争の準備ではなく平和の構築こそ必要だ。戦争を止めよう」と訴えた。「戦争ではなく平和、平和で安心できる社会、人々が主人公である社会をつくるべき歴史の転換点に立っている」と締めくくった。
大会初日に佐藤征治郎党首選実施本部長が昨年12月1日の党首選で福島党首が無投票で再選されたことを報告し、承認された。
来賓として、西村智奈美・立憲民主党代表代行、田村智子・日本共産党委員長、福山真劫・市民連合事務局員、片岡明幸・部落解放同盟中央本部副委員長が祝辞を述べた。
護憲・軍拡阻止・脱原発の闘い
続いて、服部良一幹事長が幹事長報告を行ない、2022年1月の通常国会以降の国会闘争と主な運動・組織の取り組みを振り返り、22年参院選で政党要件を確保したことについて「党員・支援者の必死の頑張りに加え、社民党を国政政党として残してほしいとの多くの有権者の願いが結実した」と称えた。
服部幹事長は第1号議案「24ー25年活動計画について」を提案し、「改憲・軍拡阻止の全国ネットワークを」と呼びかけた。第2号議案「各種選挙闘争方針」で来る衆院選の方針として、小選挙区沖縄2区・新垣邦男議員の再選と九州ブロック比例1議席獲得を必達目標とし、九州ブロック以外の比例3議席獲得を合わせて計5議席、比例票2%を獲得目標とした。両議案は代議員の拍手により採択された。また、党役員改選では全員が再任された。
そして「『がんこに平和くらしが一番』のスローガンのもと闘い抜く」とする大会宣言を満場の拍手で採択した。なお、大会議長は、工藤鈴子(千葉)、梶原正実(福岡)、大会運営委員長は福山権二(広島)、副委員長は照井省三(岩手)の各代議員が務めた。