声明・談話

【談話】旧優生保護法強制不妊訴訟の最高裁判決をうけて

2024年7月3日

社会民主党

幹事長 服部 良一

 

  1. 本日、最高裁判所大法廷にて、旧優生保護法下で不妊手術を強制された障がい者らが国に損害賠償を求めた5件の訴訟で、「旧優生保護法」は「立法時点で違憲」と判断し、国へ損害賠償を命じる判決が下された。その内1件は仙台高裁へ差戻しとなった。社民党は本判決を歓迎するとともに、この判決を勝ち取るまで長きにわたり闘い続けた当事者の皆さまや支援した市民の皆さまに深く敬意を表する。
  2.  1948年に成立した「旧優生保護法」は、「不良な子孫の出生防止」を目的として、旧法が母体保護法へ改正された1996年までに、約2万5千件の不妊手術が行われ、その大半が本人の同意無き手術であった。著しいほどの人権侵害であり、被害者ら一人ひとりの人生を狂わした旧法であったが、国による謝罪や補償は放置されてきた。

    2018年に旧法に基づく不妊手術を強制された女性が、国に賠償を求める初めての裁判を仙台地方裁判所で起こした。以降、各地で損害賠償を求める訴訟が相次いだ。訴訟では、「旧優生保護法」の違憲判断は下されたものの、損害賠償については、不法行為を受けて20年が過ぎると賠償を求める権利がなくなる「除斥期間」を理由として退けられてきた。

    そのような中、2022年2月の大阪高等裁判所の判決で、「除斥期間適用は著しく正義・公平に反する」と判断し、国へ損害賠償を命じた。その後も3件の高裁で国へ損害賠償を命じ、国側がこれら4件を上告し、また仙台高裁で敗訴した原告が上告したため、本日5件まとめての最高裁判決となった。

  3. 旧法が違憲であることが確定したことを国は重く受け止めなければならない。その上で、被害者に対する国の謝罪、救済、調査・検証など全面解決に向けた行動をとるよう強く要請する。福島みずほ党首は、2004年に旧法の被害について国の責任と補償を求める質問を国会で初めて行い、被害者から聞き取りをするなどの取り組みを重ねてきた。また、「優生保護法下における強制不妊手術について考える議員連盟」の事務局長として、被害者に一時金を支給する法律の成立(2019年)に尽力してきた。

    今回の最高裁判決を受けて被害者の救済のための立法が急務である。社民党は、国会、自治体議会で同問題の全面解決に向けて引き続き尽力する。さらに優生思想を問い、その根絶に取り組み、共生社会をつくっていく決意である。

以上