日本被団協のノーベル平和賞受賞に心からの祝辞(談話)
2024年10月13日 社会民主党幹事長 服部良一
ノルウェーのノーベル賞委員会は10月11日、今年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表した。受賞理由を「核兵器のない世界の実現に長年にわたって努力し、核兵器が二度と使われてはならないことを証言を通じて示してきた」こと、また「並外れた努力が核のタブーの確立に大きく貢献した」とした。
日本被団協に結集し、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて血の滲む努力をして来られた被爆者の方々に、心から敬意を表すとともに、ノーベル平和賞受賞をお祝いする。
1954年、太平洋ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で、第五福竜丸の乗組員が被ばくした事件をきっかけに原水爆禁止運動が高まり、1956年に被爆者の全国組織として日本被団協が結成された。大会宣言では「かくて私たちは自らを救うとともに、私たちの体験をとおして人類の危機を救おうという決意を誓い合ったのであります」と述べた。
その後、「国家補償にもとづく被爆者援護法の制定によって、核兵器否定の理念を確立することは、日本が被爆国として果たすべき国際的責務」として、国際社会へ被爆の実相を直接訴えるとともに日本政府の責任を問い続けてきた。
さらに、核兵器廃絶国際条約締結にむけての取組みも継続・拡大し、2017年の核兵器禁止条約採択、2021年の発効に大きく寄与したが、日本政府は戦争被爆国でありながら同条約に署名せず、核抑止論に固執し続けている。また石破新首相は自民党総裁選でも核抑止・核共有の持論を表明していた。今回の受賞を真摯に受け止め、核廃絶に向けて国際社会の先頭で努力をするべきである。
社会民主党は、旧社会党時代から一貫して被爆者の声に真摯に耳を傾け、悲しみと怒りを受け止めてきた。筆舌に尽くし難い悲劇と苦難に満ちた実態に学び、「核と人類は共存できない」という思いを共有し、被団協の取組みを支援するとともに、ともに闘ってきた。そして、国会での追及や論戦、対政府交渉及びそれらの成果を発信することを通じて、国内外世論の喚起に努めてきた。
今後も、諸課題解決のため、ともに力を合わせていく決意を新たにしたい。
いよいよ第50回衆議院議員総選挙を迎える。私たちの長年にわたる主張と活動が、国際社会からも大きく評価されていることに自信を持ち、核廃絶への重要な一歩としての核兵器禁止条約への署名、批准と平和憲法の理念を活かした対話外交の一層の充実を堂々と政策の柱として国民に訴え、闘い抜き、必ず勝利を手にする決意だ。