月刊社会民主

月刊社会民主8月号が本日発売!

 

   日本の敗戦から79年を迎える今年の8月15日。侵略戦争と植民地支配のシンボルともいえる靖国神社には、旧日本軍の「敗戦の日」に恒例の閣僚参拝が予想される。岸田首相は4月21日、靖国神社の春の例大祭に、真榊(まさかき)を奉納した。1月9日には、陸上幕僚副長(陸将)が公用車を使って靖国神社を制服組数十人と共に集団参拝した。

 日本は戦後、サンフランシスコ講和条約で東京裁判を受け入れ、戦争責任を認めた。しかし靖国神社には東京裁判でのA級戦犯が英霊としてまつられている。閣僚の靖国参拝は、日本の戦争責任の否定につながる。玉串料や真榊奉納についても同様に、憲法20条の「政教分離原則」に抵触する。

 世界では、ウクライナ戦争に続き、イスラエル軍によるガザへの軍事侵攻が強行され、中東情勢は一層不安定化している。4月10日に発表された日米首脳共同声明では、米国と日本を「グローバル・パートナー」と位置付け、米軍と自衛隊の「シームレス(切れ目のない)な統合」を明記し、自衛隊が事実上米軍の指揮下に入る。岸田政権が「台湾有事」を想定した対中国戦の「戦争する国」へ暴走する状況下、戦前のファシズムの精神的支柱となった靖国思想の危険性をあらためて考えてみたい。