社会新報

社民党第12回臨時全国代表者会議で総選挙勝利を誓う-新自由主義から社会民主主義へ-

(社会新報2021年5月26日号1面より)

社民党は5月9日、オンラインで第12回臨時全国代表者会議を開催し、44都道府県の代表ら64人が参加した。新自由主義から社会民主主義の政策への転換を実現し、衆院選での勝利を誓い合った。幹事長報告、2020年度財政報告、20年度会計監査報告、中央規律委員会報告の4報告と、21年度予算、「第49回衆院選闘争方針の具体化について」の2議案を採択した。(2面に質疑答弁詳報)

 

 

社民党の福島みずほ党首は、あいさつの中で現在の政治状況と社民党の役割について「新自由主義から社会民主主義の政策への転換を実現しよう」と訴えた。  福島党首は、年始や5月連休中に実施された大人食堂・生活困窮者支援相談会を振り返り、「お金がない・仕事がない・住まいがない、そんな地面の底が抜けるような暮らしの人たちがたくさんいる。これは自己責任ではない。明確に政治の責任だ」と強調した。

「つくろい東京ファンド」の稲葉剛さんが6日の参院厚労委で参考人として「自助も共助も限界。今こそ公助の出番、と1年間、叫び続けたが、公助の姿が見えなかった」と語ったことを紹介。「この言葉が胸に突き刺さる。新自由主義から社会民主主義へ。社民党こそ実現できる」と強調。

また、党首は、4月16日の日米首脳会談の共同声明が台湾問題に触れ、「米国は、核を含むあらゆる種類の米国の能力を用いた日本の防衛に対する揺るぎない支持を表明」と記したことに関し、「驚がくした。『核を含む』、つまり核兵器を使用することもあり得るとした」と危機感を表明した。  改憲手続き法である国民投票法の改正案に関して、9条への自衛隊明記や緊急事態条項創設など、自民党「改憲4項目」の議論入りを目指すものであり、参院で成立を阻止する考えを示した。ジェンダー平等(男女平等)政策で党常任幹事会の男女比を4対4としたと報告した。

そして「現場と政策と政党をつなげる」ことの大切さを強調。その上で党首は、衆院選勝利で国会議員を増やし、来年の参院選、再来年の統一自治体選の勝利につなげ、党勢拡大を実現していく決意を表明した。

 

服部幹事長報告を採択
人権無視の入管体制を批判

服部良一幹事長が「幹事長報告」を行ない、今年2月の全国代表者会議以降の国会闘争と主な運動を振り返った。この中で服部幹事長は、神戸市の介護老人保健施設で4月以降に入所者・職員133人が集団感染し、入所者26人が死亡した事件を取り上げ、「死者のうち23人が病床不足により施設内療養で亡くなった。これを医療崩壊と言わずして何と言うのか」と指摘した。その上で「もはや五輪をやっている状況ではない」と強調し、9日の常任幹事会で東京五輪・パラリンピックの中止を求める党首声明を決定したと報告。

また、4月13日にトリチウム汚染水を海洋放出する閣議決定が行なわれたことを「許しがたい」と批判。

日米首脳会談の共同声明で「台湾」が明記された問題で「台湾が集団的自衛権行使の範囲に入る恐れがあり、沖縄と南西諸島の基地が戦争準備に入る可能性がある」と懸念を表明した。

改憲手続き法の国民投票法の改正案に関し、改憲に結び付く動きに断固反対すると表明。人権を無視した入管法改正案、基地や原発の周辺住民を監視対象にする憲法違反の「重要土地等調査法案」などを批判。

伊是名夏子常任幹事のJR乗車拒否に対する問題提起は「大変意義のあること」と評価し、今後、党として取り組む姿勢を示した。

最後に、福島党首の音頭で団結ガンバローを三唱し、閉会した。なお、議長は金子豊貴男(神奈川)、大会運営委員長は村山弘行(福岡)の代表委員が務めた。

 

 

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