社会新報

福島党首会見『安倍-菅政治を継承の総裁選』『 脱原発取り下げた「河野」の無節操』

(社会新報2021年9月22日号2面より)

社民党の福島みずほ党首は15日、参院議員会館での記者会見で、自民党の総裁選について、「立候補している3人とも、コロナ対策で有効なことをしていない。誰が選ばれようが安倍・菅両政権の延長で、国民の命を守らない憲法無視の自民党政治が続く」と茶番劇を批判し、政権交代の実現に意欲を表明した。福島党首はテレビがコロナ対策といった他の重大問題を取り上げずに総裁選一色になっている現状に関し、「報道の公平・中立性から見ていかがなものか」と苦言を呈した。
 また、岸田文雄元外相と高市早苗前総務相がいずれも「敵基地攻撃能力」の保有について積極的な発言を繰り返している点について、「非常に危惧を感じる」と強調。「安倍・菅両政権の最大の問題は、特定秘密保護法や戦争法、共謀罪、さらには土地規制法などを次々に成立させ、憲法を踏みにじったことだ。そうした政治を継承させてはならない」と、両候補を批判した。
 また、河野太郎行政改革担当大臣に対しては、稼働中の原発が「いずれ老朽化する」と唱えるだけで一時主張していた「脱原発」を実質的に封印したことに対し、「これ以上、核のゴミを増やさないためにも、脱原発は早く進めなければならない」と指摘。さらに「3人とも安倍前首相と麻生蔵相の応援を得たいため、その枠に収まっている」として、「格差を拡大し、国民の生活を脅かす政治は、政権交代によってしか変えられない」と訴えた。

中村長官就任に疑問

 最後に福島党首は、警察庁長官に中村格同庁次長が就任した人事を取り上げ、「性暴力加害者に対する現場の捜査に基づく逮捕状を、逮捕直前に官邸の意向を受けて握りつぶしたとされている」と疑問を提起。「検察の黒川弘務前検事長の定年延長問題と同様、官邸による人事の私物化だ」と国会で追及する意向を明らかにした。

記者会見をする福島党首

記者会見をする福島党首

社会新報のご購読はこちらから。