社会新報

菅政権の改憲策動STOP -5・3 憲法大行動で福島党首が熱く訴え

(社会新報2021年5月19日号1面より)

 

日本国憲法施行から74年となった5月3日、国会正門前で「5・3 憲法大行動」が開かれ、3,500人が参加した。「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が共催。社民党の福島みずほ党首をはじめ野党代表や各界から憲法擁護の熱いスピーチが続いた。

 

 

まず主催者を代表して「九条の会」代表の小森陽一さんが、「2015年の戦争法の時から党派を超えて統一して運動をしてきた。4月25日の3国政選で市民と野党の共闘が勝利。憲法を守り活(い)かそうとする側から政治を変える段階に来ている」と語った。

立憲民主党の枝野幸男代表、共産党の志位和夫委員長がオンラインであいさつしたのに続いて、社民党の福島党首が国会正門前に登壇し、マイクを握った。

福島党首は開口一番、「私は日本国憲法が大好きだ」と述べた上で、「憲法ができて、女性は選挙権と被選挙権をようやく持つことができた。憲法24条ができて、民法の親族編・相続編が大改正になって『妻は無能力者である』との民法が廃止された。基本的人権、平和主義、国民主権が生かされてきた74年間を国民の力によってさらに充実したものにしよう」と訴えた。

そして福島党首は、自民党の「改憲4項目」(①自衛隊明記、②緊急事態条項創設、③参院選の合区解消、④教育無償化)に関して厳しく批判した。

まず、自衛隊明記について「9条に自衛隊を明記する。何が違憲か分からない。集団的自衛権の行使もOK、国防軍となってデモの警備をするのもOK。なんでもOK」と表現した。

 

「国会無用論」の暴挙 「連絡メカニズム」変質

緊急事態条項に関しては「盗人たけだけしいと言わざるを得ない。コロナウイルスに対応できないのは菅政権の無為無策と命を守らない政治姿勢のため。緊急事態条項は、内閣限りで法律と同じ効力を持つ政令を作ることができるようにする。国会無能論だ。こんな戒厳令は絶対に認めてはならない」と一蹴した。さらに福島党首は「教育の充実を言うのなら今すぐやればいい。合区解消を言うのなら公職選挙法の問題ではないか」と喝破。その上で改憲手続法である国民投票法の改正案に反対を表明した。

続いて各界から連帯のあいさつがあった。作家の雨宮処凛さんは、「昨年4月以降、生活保護の利用者は微増。背景には自民党が主導してきた生活保護バッシングがある」と自民党の対応を厳しく批判した。

 

「おかしい」と訴える

神奈川大学教授で元日本学術会議会員の羽場久美子さんは「日本学術会議は、学問が戦争に加担したことを反省し、戦争を目的とした研究は行なわないとの声明を3回にわたって出した。おかしいことは『おかしい』と言えることが基本的人権であり、万人の願いだ」と訴えた。

日本体育大学の清水雅彦教授は「もうこんな反憲法政治を終わりにしよう。国家権力制限規範である憲法に基づく政治、立憲主義を取り戻そう。労組と市民と野党の共闘によって改憲を拒んできたことに自信を持ち、今年こそ憲法理念を実現する政権を作ろう」と強調した。

江戸文化研究者で法政大学前総長の田中優子さんは「憲法と自民党の憲法改正草案を比較してください。価値観、人間観、国家観が全く異なる」と指摘した上で、「憲法を棄てるのか、守るのか、二つしかない」と警鐘を鳴らした。

法政大学教授で市民連合共同代表の山口二郎さんは、「憲法擁護のため、『攻撃は最大の防御』と言いたい。今度の衆院選でも(野党が)一本化して政権交代を実現し、憲法理念を実現できるように、それぞれの地域で声を上げ、戦ってほしい」と語った。

 

共通性にこだわり抜く

最後に主催者からの行動提起として、実行委の菱山南帆子さんが「3国政選挙で野党候補が全勝した。この勢いを総選挙で加速させたい。違いにこだわるのではなく、共通性にこだわり抜き、より一層熱い一つの塊になっていこう」と力強く締めくくった。

 

日本国憲法25条

「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」として、「人間らしく生きる権利」をうたっている。新型コロナウイルスの変異株の感染拡大による不安な状況下、憲法25条の実現が求められているが、菅政権はコロナ禍に乗じて憲法に緊急事態条項を盛り込む必要があるなどとして、危険な改憲をもくろんでいる。